| 2002年12月03日(火) |
「寒いね」といえば「寒いね」と答える人のいる温かさ |
寒がりで根性無しな私は、冬が苦手だ。 冬の気配にびびってしまって、すぐに家にこもって冬眠したくなってしまう。
でも、冬はやっぱり寒いほうがいいなあ。と思う。 冬は冬らしく。 寒く厳しくあって欲しい。 だって、寒ければ寒いほど、冬は厳しいほどに、小さな幸せが心に染みて嬉しくなるから。 今日のタイトルにした短歌は、俵万智の作品で、私の思う冬の良さがとてもよく出ているのでお気に入りなんです。 (うろ覚えなので、もしかしたら、違っているかも…)
「お寒いですねー」 「本当に。今年は冬が来るのが1ヶ月早いですね。」 なんていう、通りすがりのちょっとした会話、10分後にはそんな言葉を交わしたことも忘れてしまうような、本当に何気ないあいさつみたいな会話だけど、このちょっとした言葉を交わすことで、そこにはほんわかした空気が生まれるんですよね。
北風に吹かれて、手足の先の感覚がなくなるほど冷え切って家に帰ってあたるこたつのぬくもり。 そして、「さむかったでしょう」という言葉と一緒にさしだされる熱いお茶。 幸せというものが自分の周りにたくさん存在しているのに普段気づかずにいることに気づかされます。
厳しい冬があるからこそ、春を迎えた喜びを強く感じることができるのです。 これは人生においてもおんなじですよね。 楽しいばかり、いいことばかりの人生なんて、実は本当の幸せではないと思います。 挫折、苦悩、葛藤、苦労。 わざわざ苦しむ必要はないけれど、さまざまな苦しみを乗り越えてこそ、他人の痛みや悲しみを自分のことのように感じることができるようになるように思います。
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