4月から6月まで、私は療養のため休職していたY先生に代わって山の小さな学校で国語を教えていた。 そして、約束どおり、Y先生はもどっていらしたので、晴れて私はお役御免になったのでした。
Y先生と私は意外と縁がある。 まあ、国語科ということはさて置いて、Y先生も卓球選手で、卓球部の顧問だったんです。 前任校では、団体で県大会優勝するほどのチームをそだてました。 その、前任校時代、私は大学生だったのですが、どうやらY先生に会っていたみたいです。 中学生の県選抜強化合宿があって、コーチというか、練習相手として私とか大学生が呼ばれていったときに、Y先生は顧問としていたそうです。 今、私が属しているチームに来ているほかの中学校の先生が実はY先生と大学が一緒で、卓球部で一緒にやっていた、なんてことが明らかになったり…。 「縁がありますよねえ」 しみじみ。
今日、学校が終わって、携帯を見たら、山の小さな学校の校長先生から着信が残っていた。 「おひさしぶりです。お元気ですか?」 「おー元気さ。そっちはうまくやってるの? …ところで…」 Y先生の病気が再発した、という電話だった。 11月の終わりごろからどうも調子が悪いようで…。 Y先生の病気は心身症とか、うつとかいわれるような、心の病気です。
Y先生、復帰されて、すごく前向きに学校生活に取り組んでらっしゃったのに…。 心配です。 なによりも、Y先生が学校へ戻る勇気をなくしてしまうのではないかということが気がかりです。
教師という仕事は臨床的な要素の強い職業です。 人間対人間のぶつかりあいが限りなくおこるところが学校です。 だから、ある面ではすこし鈍感で、しぶといところがないとやっていけないのかもしれません。 (もちろん子供の抱える問題に対しては繊細でなければならないですが)
もう部外者となってしまった私は、ただ、遠くから、Y先生の回復を願うばかりです。
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