きよこの日記

2003年06月23日(月) 文学友達

「きよこ先生、三島由紀夫がお好きなんですか?」
「はい」
「いやあ、意外だなあ。
 三島由紀夫みたいなひねくれた、屈折した作品がお好きなようにはとても見えないのに。」
「いえいえ。
 私はすごくひねくれ者なので、あの屈折したところに共感するんですよー。
 だれも触れない人間の深層を、ずばっと言い切ってくれるところがたまらないんです。」

普通の学校だと、国語の先生2人か3人というところだと思うのですが、今の学校は5人もいます。
でも、国語研究室にいるのはたいてい私と、岩中先生ぐらい。
岩中先生は、もはや国語研究室で生活しているといっても過言ではない。
で、上記のような会話になります。

私は三島由紀夫はじめ、昭和初期ぐらいの作家が結構好きなので、岩中先生ととっても話が合う。
文学友達って感じ。
岩中先生は、昔ながらの国語の先生です。
一時間、生徒の興味をそっちのけでひたすら文学の話をしたり、青春時代の話をしたり。
しかも、授業はすごく怖いらしくって、あの現代っ子たちを、手はひざの上においた状態でずっと授業を受けさせているというのだから、只者ではない。

私にそれをやれといわれても、とっても無理です。
だいたいすぐにねた切れです。
いまだって、朝夕の学活の話題でさえひねり出すのに、四苦八苦だというのに。

この前、廊下で岩中先生に国語を習っている3年の男子数人に話しかけられました。
「きよこ先生、三島由紀夫が好きなんだって?
 じゃあ、中島敦は?辻邦生は?谷崎潤一郎は?
 なんか、三島由紀夫の話し教えてよ。」

国語の時間に岩中先生にいろんな話を聞いて、それを私に話してくれたんです。
えんえん、でるわでるわ。
ずっと話してくれました。

伝わっているなあ・・・。
勉強って、こういうことなんだろうなあ。って思いました。

係り結びが何だ。体言止めがどうしたって言うんだ。
そんなの覚えたって一文の得にもなりやしない。
テストが終われば忘れちゃうさ。
でも、きっと、この子達は、岩中先生の話を、文学に興味を持ったこのときの気持ちを、きっと大人になっても忘れないだろうなあって思いました。

「岩中先生、堀辰雄が好きだって言っていたよ。
 今度、国語の授業のときに、教卓の上に堀辰雄の本を置いておいたら、きっと喜んで話をしてくれるよ!」
みんなで図書館に行って、堀辰雄の本を借りました。
どんな授業になるんだろうねー。
私もそんな授業なら受けてみたいなあ。


 < 過去  INDEX  未来 >


さよこ [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加