図書館教育の研修で聞いた講演がとても興味深かったです。
テレビとか、きっと教育上よくないだろうなあ、と思いながらも、世の中ではそんなに非難されていないということは、まあ、いいのかなあ、という感じで今まで考えていたのですが、どうも、そんなやさしい問題ではないようです。
日本のメディア認識は世界的に見て、予断を許さないほどの危機的状況にあるということなのです。 1998年には国連の『子どもの権利委員会』が日本にのみ「勧告」を行ったそうです。 それは、子どもがメディアの洪水の中で溺死しかけているので、日本政府にメディアに対して子どもの成長障害をひきおこすような情報を規制するように、とのものだったそうです。
本当に、テレビやゲームが成長障害をひきおこすかどうかという点については、以下の報告を参照してみてください。 http://plaza.umin.ac.jp/~jpeds/saisin-j.html 「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」日本小児学科会
講演をされた斎藤惇夫さんの知り合いの方でアメリカで教育関係の仕事をしている方が、アメリカの小学校の先生からよく相談を受けたそうです。
「教室の中で飛び回る子がいる。突然キレる子がいて困る。大声でわめいて授業を聞けない子がいる。 それらの行動をする子どもは日本人の子どもしかいない。 一体日本では何が起こっているの?」
また、斎藤氏は次のことも言われました。 「3歳までテレビを見せてはならない。 6歳までビデオを見せてはならない。 12歳までゲームをさせてはならない。 15歳までパソコンを触らせない。 18歳までネットにつながせない。」
厳しすぎるでしょうか?
でも、私は自分を振り返ってみると、テレビはほぼ生まれたときから見ていたけど、ビデオが我が家にやってきたのは小学校高学年ぐらいだったし、お兄ちゃんが私にゲーム機を触らせてくれるようになったのは中学生になたころだったなあ。パソコンにはじめて触ったのは大学に入ってからだし、いわんやネットをや。
このガイドラインを自然に守れていたギリギリの世代だったわけです。
でも、今生まれてくる赤ちゃんは、意図的に環境を作らなければビデオもゲームもパソコンもネットも一時におしよせます。そして、その影響が現れるのは10年以上経って取り返しがつかなくなったときなのです。 うーん。こわいぞお。
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