2003年07月09日(水) |
「アカルイミライ」と黒沢清監督 |
というわけで。
宮崎映画祭ラストは 黒沢清監督の「アカルイミライ」(公式サイト)上映と 黒沢監督のトークショウ(司会は宮崎映画祭の関係者)でした。
「アカルイミライ」は うーん何映画といったらいいんだろう。 青春映画もモラトリアム映画もちょっと違う気がするが。
同じ職場にいた友人が、思いがけないことのために去っていく。 それからどこにいけばいいのか分からない日々が続く。 ただ友人の持っていたクラゲが川で増え続けるように餌を撒く。 友人の父の仕事場に逃げ込んだりする。 犯罪めいた行為に手を染めたりする。
閉塞感があるようで、どこか突き抜けたような明るさのある不思議な感覚の映画でした。 「曖昧な未来」でも言及されていたとおり、衣装はかなりスタイリッシュで印象的でした。 出演はオダギリジョー、浅野忠信、藤竜也など。
トークショウでは初めに司会者と黒沢監督の話があり そのあと質問コーナーを設けて会場からの質問を受け付けるという形でした。
オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也らについての話。
オダギリジョーと浅野忠信を比較して、イメージとは違いオダギリジョーの方が場の雰囲気を掴むとわりに大胆で、浅野忠信の方が案外気をつかう方であるとのこと。
藤竜也さんは大御所のイメージがあったが、「実はいい人だ」と人づてに聞いて、会ってみる気になったとか。
むかし浅野忠信が某映画祭に飛び入りで参加したが、初め誰もわからず、スタッフに溶け込んでモギリまでしたという話とか。
衣装の北原さんは映画の本質に近いところまで掴んでいたとか(もともとはテロリズムについての映画だったが、アメリカのテロがあったせいもあって軌道修正したこととか)。
質問コーナーでは 黒沢監督が一個一個丁寧に、ときに悩みながらも答えてくれたのが印象的でした。 映画のなかの、クラゲの意味するものについて。 アカルイミライという題だが、全ての人物(一見明るい未来とは無縁そうな人にまで)適用されるのかとか。 (いろいろ考え方もあろうが、監督自身はそう思っているとのこと)。
とかいろいろ話が聞けて面白かったです。
もともと黒沢監督のファンなので(最初の出会いは、黒沢監督が書いた小説版の「CURE」(bk1)(アマゾン)。それが好みだったので映画を観はじめました)、生で黒沢監督が拝見できただけでもちょっと嬉しかったり。
いや、ミーハーな感想ですいません。
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