どんなに足掻(あが)いても 人という泥沼から飛び立てないのなら
せめてそれを受け入れることにしよう
どんなにのたうっても 香ってくる男の性(さが)を振り払えないのなら
せめて受け入れて自分につけたそう
泡沫(うたかた)の人、儚(はかな)き定められた男という業(ごう)を受け入れる。
けれど 残りの私というのは はたしてあるのだろうか
人であることよりも弱々しい男
その男にも太刀打ち出来ないで翻弄(ほんろう)されつづける私
その 私 というのはあるのだろうか
執筆者:藤崎 道雪