君が見苦しくあってくれたら、醜(みにく)くあってくれたなら、ほっと安心してしまうだろう。
君をそうやって恋し愛していこう。
君が見易くあってくれたなら、美しくあってくれたなら、ぎゅっと不安になってしまうだろう。
君をそうやって恋し愛していこう。
君が醜く美しくあってくれたのなら、沸(わ)き起こる心の感覚に君を溶かしていくだろう。
貴方をそうやって求め必要としていこう。
君が下品で崇高であってくれたのなら、瞬発的な心の揺(ゆ)れに君を視(み)ずして解かしていくだろう。
貴方をそうやって求め必要としていこう。
貴方は、人間であったか?
貴方は、動物ではなくペットであったか?
貴方は、美そのものではなく美術品であったか?
貴方は、此処に居たのだったかあそこに居たのだったか?
本質的には何(いず)れでも如何(いかが)でも。
人であれペットであれ美そのものであれ何処であれ、替わりは幾らでも利くのだから。
魂の無限の輪廻のように回って行き、果てる事などなく永劫に、恋いし愛し、求め必要とするのだから。
貴方が欲しいというのに、出口は3つしかないのだろうか。
けれど、貴方だけが欲しい。
執筆者:藤崎 道雪 (校正H16.11.30)