どこかで道を誤ったか、と思う。
どこで遅れてしまったか、とは思い続けてきた。
いつも未来に縋(すが)る。
人より長生きしようと、この道なら長生きが生きるのだと、確定していない未来に。
すまない、と、自分に謝ればいいのか。
地上まで降りていき、また、大地の匂いを思いっきり吸い込めば。
俺はあの眩(くら)むような天空へと飛び立ちたい。
なのに、この肉体の奥底にまとわりついた私の自我、
まったくすっかり完全に私のせいで飛び立つのに必須な理を忘れていたのだった。
どこかで道を誤ったか、と思う。
どこで遅れてしまったか、とは思い続けてきた。
未来に縋らず今に縋ろう。
追記:原題は「 眩(くら)む天空 」。『高杉晋作』と『バガボンド』24巻を読んだお陰で出来た作品。 加筆修正して改題。