土方聖架の日記

2003年02月01日(土) ガンダムシードと陽炎ノスタルジア


>ガンダムシード

・・・は、とりあえずウィングのトレーズ閣下の演説をまず引用したい。



「私はロームフェラー財団の進む道に賛同しかねます。
古き良き伝統とは人間の奥深い感情が築き上げたいたわりの歴史
私は戦うことが時に美しいと考えるとともに
命が尊いことを訴えて
失われる魂に哀悼の意を称したい。


私は人間に必要なものは絶対的な勝利ではなく
戦う姿、その姿勢
と考えます。

しかし、モビルドールという心無き戦闘兵器の使用を行う
ロームフェラー財団の築く時代は後の世に恥ずべき文化となりはしないでしょうか。

また、戦わずにいられない人間性を無視する完全平和を称えるなど
宇宙コロニーの思想はその伝統を知らぬ哀れな世迷言として感じておりました。

しかし、その境遇のなかから新たな戦士が生まれました。
それがガンダムのパイロット達なのです。
彼らの純粋性に満ち溢れた感情の前には
伝統はかすんで見えることでしょう。
守るべきものを失い、さらに守ってきたものに裏切られた戦士は
歴史上敗者
なのです。
しかし、彼らにその認識はない。
それどころか彼ら自身は戦う意志に満ち溢れている
のです。


美しく思われた人々の感情は常にかなしく
重んじた伝統は弱者達の叫びの中に消え失せる。
戦いにおける勝者は歴史の中で衰退という終止符を打たねばならず
若き息吹は敗者の中より培われていく

私は
敗者になりたい



当時耳で聞いて「わからん!」の一言で片付けてしまった迷演説、いや当時から「文章に書き出せば名文ぽい」とは思っていたのですが文章に書き出すことをしなかったんだな。
・・・今回、書き出してみました。あーもう。

カガリは人格的にはいいのだが、今回見るとお馬鹿ぽくてかなり辛かった。どこをどうやって「勝利の女神」になったのかハテサテってそんな高度な話作りを期待する方が間違ってる気もする。

いやもー何もかもがどこかズレてるんだけどさ今回の話!

ただの報復に生殺し(しかも生活拠点)をする、扱い的には「人道的」な砂漠の虎。いや殺せばいいってもんでもないんだが・・・ゲリラの家族、身体張って洞窟守るとかあってもよさそーなモンなんだけど・・・。予定調和というか、なんかのんびりというか・・・。

んでもって頭に血がのぼって戦うことに意義がある的特攻ゲリラ、は仕方ないとしても、それを抑えて勝ち目のある戦いを提案するくらいしてほしかった勝利の女神カガリ。おかげでゲリラもカガリも「考えなし」のレッテルを貼られて痛い。大体ゲリラが真正面から戦ってどうする!ついでにいうとカガリはちょっと前に来た異邦人だろうに「守るべきモノ」の定義が言うほどしっかりしてるか疑問が出てきたぞ。・・・そういえばゲリラも実際にザフトなり連邦軍なりに実際にひどい目に・・・あったのか・・・?やはり基礎設定に問題がありそう。ていうか基礎設定がなさそう。

そして黒ガルムモンと戦う主人公。戦いながら改造するスパロボでは鬼神のようなスキル持ち。でも絶対お前はスパロボに出ても絶対使ってやらん。つかシードのゲームって格闘ゲームじゃなさそうだけど何する気だろう。絶対手に取らないから関係ないんだけど。

どーでもいいんだけど砂漠の虎と戦ってキラが一時的に追い込まれたとき、すっごくワクワクしました。「行け!砂漠の虎!キラの鼻っ柱をしこたま折ってくれ!」握りこぶしで応援してしまった。主人公が負けそうなのが真剣に心地よいあたり、かなーりどーしようもありません。種はじけも怖いというか気持ち悪く、このまま行くとフレイが妊娠して「化け物生みたくない」と錯乱する王道ストーリーに入ってもフレイを責める気になりません。(いやそうなると決まったワケでもないのだがありがち話なので)

んで「戦うだけで何が守れるっていうんだ!」ってさ・・・。


冒頭のトレーズの言葉、あれホントに深いよな。
戦争は確かに愚かしい。誰だって死にたくないし、痛い思いはしたくない。回避できるならそうしたい。だが「戦わなければ」「肉体、或いは精神的に死んでしまう」とき、戦う個人の姿は少なくとも軽視はできない。(ただ個人的に「戦って死ぬ」のではなく「死ぬ=戦いの道具」の自爆系戦闘は・・・命が勿体ないのでやめてほしい)

兵士の必死で戦う姿、それこそが戦争の悲惨さであり、意義でもある。

ていうか人は人によってしか収まらないのだと思う。
論理で納得できるときは、論理を説くその人に「説得力」があるときだけだし。
力で押さえつけられるだけでは反発するが、同時に「尊敬」の念を植え付けさえすれば人を簡単に自発的な奴隷にできる。逆に言えばそういう意味では軍事力的な力など方策にすぎず、すべては「人」の「影響力」なんだろうと思う。(北朝鮮は呪いに近いが)

「命がけ」の行為は影響の方向は不確定だが、ともかくも唯一確実に万人に訴える力を持つ「武器」だ。だから正規軍でないゲリラは命で戦う。ゲリラが出現するということは自国の軍隊が壊滅してるか役に立たないかのどちらかで、そういう意味でゲリラは物質的にも精神的にも崖っぷちなのだ。誰も守ってくれないから戦うのだ。「迷惑で意味がないからやめてくれ」と言われて引っ込むゲリラは、そもそもゲリラ行為なんぞ最初からせんだろう。勿論装備なんか十分にないから戦法も小規模な陰湿なものをちくちくと、という形にならざるをえない。持続が命だから危険も多い。結果(=守りたいものを守りきれたか否かの結果)から考えればどうしても「戦うことに意義がある」としか言えない無意味なものになる。それでも戦っちゃうからゲリラは始末に終えず、そして簡単に責められない痛さを持つのだ。

確かにカガリたちの行動は大馬鹿だが、キラの言葉はそのあたりを踏まえた言葉ではなく「装備が貧弱な奴らは僕の後ろで小さく固まってろ!」というのが正確な響きなので、いっそそう言ってくれればとことんまで下落する分キャラ回復も望めそうな気がするんだが。


・・・何かね、今回キラも砂漠の虎もカガリも半端というか薄いというか、言葉の意味がどれだけわかってるのか不明でいけなくてな。戦うこと自体に思わず意義を見出すような必死な人が真面目に欲しかったぞ。カガリもうちょっと賢くあってほしい・・・馬鹿女はもういらん・・・(イタタタタタ)

ちゅーかシードスタッフ。
第二次世界大戦とベトナム戦争とボスニア内戦を一通り勉強して「銀河英雄伝説」と「デルフィニア戦記」と「スカーレットウィザード」くらい読みやがれ。

とりあえず一話から出てるキャラよりよっぽど惜しいアフメドくんに哀悼。

>陽炎ノスタルジア

おお3ヶ月ぶり。一馬も不知火の存在をようやっと思い出し(さあ取り返しのつかない事態になって思う存分後悔するがいい!)、話す豪希もなかなかに男くさくてイイカンジ。ええよかったんじゃないですか。

でももうブレイド買わないけどね。カゲノスが面白くてもね。見守りはするけどね。





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