感想兼日記
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2005年10月23日(日) 日本シリーズ とNHK杯 と「ヤサシイワタシ」「家族のそれから」

 きのうの日本シリーズ第1戦はロッテ快勝。やった! 
 西岡内野手のプッシュバントに大喜びしちゃったよ。清水投手の力投にもね! 
 濃霧コールドには驚いた。そんなこともあるんだ。
 昔、九十九里方面でだったか、友人の車に乗ってて霧が出たことがあって、すごいこわかったなー。ものの数分で視界が全然きかなくなってさ。
 今夜は第2戦。がんばれ! 


 今日のNHK杯は2回戦第11局、張 栩 NHK杯 対 今村善彰 八段。解説、小県真樹九段。
 中盤まで、黒番 張栩名人の大優勢と見ていたら、左辺から中央の大石が取られてまさかの投了。ううわ、びっくり。弘法も筆の誤りってやつか? 
 タイトル戦のスケジュールが押してるからな……全部がんばるわけにいかないだろうし、NHK杯がいつ収録だったかはわからないが、名人戦に焦点を絞ってるのだろうと思った。
 あっ そうそう解説の小県九段、‘おがた’九段と耳で聞いてちょっとぎょっとした。緒方……っ!? ……違うって。失礼しました。

 対局の前の囲碁講座、10月からは講師、大森泰志八段、司会が稲葉禄子アマ六段。
 前期の大竹先生の講義は高段者向けで難しくてあまり見なかったのだが、今期は級位者対象で勉強になる。大森八段の講義、分かりやすくてすんなり頭に入る。それが身につくかは……わたしの問題だけど。
 稲葉さんの司会がまた安定していて、かゆいとこに手が届く感じで好きなんだー。
 辺でスベってこられた時に「ここに(ツケて)押さえたいんですが」、そうそう! わたしレベルだとソコが問題なのよ、ってとこを的確に示してくれる。いや台本なんだろうけど。そこでツケコされたら。……あっ やっぱだめなんだ。とTVの前に正座して見てた。
 講義の最後の詰碁も初めて正解した! うれしい〜。


 話変わって、アマゾンで頼んでいたひぐちアサ作品がきのう届いた。
 以下感想。長いかも。
「ヤサシイワタシ」1,2巻と「家族のそれから」(「ゆくところ」収載)
 これは。静かな内圧、怒りというかジレンマというか葛藤というか、青年期の苦しさが滲み出すような物語だった。なんとなく予想してたけど、予測を上回ったな。
 ひぐち氏のバックボーンがここなら、おお振りは一重のスポーツものじゃないはずだ、やっぱ。
 ミハシのお母さん、お父さんや、花井のお母さんの描写が、他のわたしの知ってるスポーツまんがと比べても群を抜いてると感じたのは、これだけの裏打ちがあったからだと、とても納得。
「ヤサシイワタシ」の主人公は、故障でテニスを断念した大学生だし。出だしが「挫折」だよ。でも挫折を描いてるわけじゃないと思う。
 そして読み始め当初、少年まんがのくくりに入れてもいいんじゃ? な、おお振りが青年誌掲載なのにも大いに納得。

「家族のそれから」に入っている「ゆくところ」は投稿作、とあとがきにあった。
 ……投稿作がこれか……! (アフタヌーン1998年8月号掲載とある)
 そりゃ青年誌なわけだ。そして編集部はこれを採用するんだ。ちょっと語弊があって恐縮だが、なんだか尊敬。アフタヌーン誌そのものに期待していいんだ、と思った。
「家族のそれから」は当初70頁予定が、編集長の指示で倍になった、とあった。短期連載(35頁ずつ4回かな)になったようだ。(アフタヌーン2000年2〜5月号掲載とある)
 昔、森脇真末味氏が約束の頁数をもらえなかった、という話を単行本後書きに書いているのを読んだことがある。少女漫画方面では(少年漫画でもかな)掲載頁を削られこそすれ、新人に近い作家に増頁、は聞いた事がなかったので、この点でも編集部の方針の違いに驚いた。
 ただ、「ヤサシイワタシ」止まりなら、青年誌には多いと思われる傾向の作品群の中に埋もれてしまったんじゃないだろうか。
 この作者が「おおきく振りかぶって」を描いているところに、またたいへんな力量と精神力を感じる。よくぞエンターテインメントを。

 前二作は、言いたいことはだいたいわかるけれど、登場人物みんなの言ってることはよくわからない。なんだか日本語になってないし、と思ったところで、三橋がしょっちゅう阿部に「何言ってるのか(言いたいのか)わかんなくてイライラする」、栄口くんに「会話になってねーぞー」と言われていたのを思い出した。
 ああー、もしかしてひぐち氏自身が、そう言われてたんじゃ。きっとそうだー。あははは。などと邪推しつつ。
 おお振りでは分からなさ加減もちゃんと翻訳してるんだ。さすが。
 やっぱりAB型なのかな。ヤサシイワタシのヤエのしょうもなさ加減や、妹の言葉の「お姉ちゃんはお父さんにほめてほしいだけなんだから」は太宰氏風だし、「家族のそれから」も含めて‘家族’のとらえ方はなんとなく寺山修二氏を連想させる。布団に丸まってる小泉には、森脇氏「おんなのこ物語」の安倍弘(うう漢字忘れた)を思い出すし。

 たのしみ。これからも「おおきく振りかぶって」とてもたのしみ。

19:06


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