僕は禿げる。(中略)それでも歌を聴いてくれますか?
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2006年03月12日(日) 作戰会議1

夜八時に山作戰スタッフは召集された。集合場所はファミレスの前のジェーの坊主頭。時間に集まったのはジェーと寧々だった。usaは残業に追われて妄想の国へ逃げてしまい、突然「死にたくないっ!」と叫んでいたあの頃の輝きは失っているらしい。さわしゅんは毎朝五時頃起きて証券関連の仕事をはじめたらしい。役者のくせに社会的強者になろうとしていると思われる。何しろ今回の来るかもわからないバブルは強者だけが潤うバブルなんだそうだ。日刊ゲンダイに書かれてた。とにかくさわしゅんはそんなあわよくば出し抜いてやろうという気持のせいで遅れてくるらしい。

俺は駅から少し離れたファミレスの場所が半信半疑で、知っている道を辿ってかなり遠回りして行ったので遅れた。村チェは眠そうな目でエロエロ光線を出しながらやってきた。この女と寧々は日記でももっと本性をあらわさなければいけないと思う。基本山作スタッフの基本姿勢は、「相手に理解してもらう喩えよりもエロい喩えを…」なのだから。

今回のこの会議、自分が劉備だというつもりはないが、山作戰の名軍師諸葛亮ことジェーが「酒が入ると��(高)山の虚言癖+大風呂敷が酷くなるから」といつもの酒入り作戰会議を却下し、山作戰の進む方向を指し示す堅実な会議を提案したため実現した。ファミレスならとりあえずビールは免れるだろうという包囲網である。理論的かつ迅速、上品な笑顔を浮かべてされる彼の発言は山作戰の中で主宰であるはずの俺の発言よりも力を持つ。

ファミレスの中はとにかく稼動が負けている状態。日本の治安の良さに助けられているといった感じで、40人位は入っているフロアに専用のスタッフは1人。居酒屋ではないので追加注文はほぼないのでこれでいいんだろうか。居酒屋馴れしている山作スタッフの意見は「にしても少なすぎはしないか」というものだった。

席について注文を決める。寧々と俺は基本的に注文を決めるのが遅い。どれも食べたいようで、そうでないような気がする。今回は寧々がメニューを見つめて最後までうなっている。俺は早々と目を輝かせて決めた一品を頼むためにアキレス腱を伸ばして待っていた。やっと寧々が注文を絞り込んだようで店員を呼ぶ。

滑舌の悪い店員がやってきて注文を聴いた。ジェーが頼んだものにご飯がつかない事を伝えるのになぜか喧嘩腰で、「こちらはご飯やパンがつきませんがよろしかったでしょうか?」と予言のような口調で言う。「いやいや、よろしかったでしょうかって言われてもまだその事については話題にものぼってませんよ」と心で突っ込みながら鷹派店員とも大人の関係で注文。みんながそれぞれ「かつ定職」などを頼み終えるのを待ち、俺はその時を待った。寧々が注文を終わったのを見計らって俺は用意していた言葉を、用意していた声の高さで、用意していたタイミングで言い放った。「瓶ビール!グラスひとつ!」

タイミングはばっちりだったと思う。しまりかかったシャッター的なものの下を滑り込んですり抜ける、インディージョーンズっぽささえ漂うタイミングだった。店員は案の定、復唱して去ろうとする。その刹那、ジェーの目の黒目が少し増え、キラリと光ると同時に彼はふちを持ちずれてもいない眼鏡を直す動作をしながら「グラス二つで!」と明るく言い放った…。

負けたよ。ジェー。その後、「私も飲みたかった」と寧々が体調を崩し、俺が彼女が一切れ残したかつを奪おうと狙っているうちにさわしゅんが登場。その後堅実に進んでいく話題に俺がちゃちゃを入れ続けてミーティング終了。かつは鷹派の店員に下げられてしまった。

その日は暖かかった。そこでミーティング中に俺が提案した「帰りに缶ビールでも買って道端で飲みたいんですけど」という作戰は子供の科学する芽を摘むような視線で却下され、ミーティングは終わったのだった。良いミーティングだったし、成果もあったと思う。しかし俺はまた敗北を喫したのだった。ミーティングに勝ち、勝負に負けたのだった。

スタッフみんなが日記に優等生らしい文章を書くので、負けたはらいせに俺が招待を全部暴いてやる事にしました。申し開きは日記でしなさい。

次回は「ジェーとの出会い〜お台場海浜公園〜」です。「知的軟派師」ジェーの実体を浮き彫りにします。

つづく。

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