Dance日記帳
モクジ|キノウ|ヨクジツ
帰国してから既に1週間が経過。 驚く程急速に時間が過ぎる。
久しぶりに日舞の稽古へ。 黄金週間に師匠の舞台があるため、稽古場は普段よりも賑やか。 諸先輩方の前で舞うのは苦手だ。 『京の四季』と『汐汲み』と浚うが、両方とも途中で振りがとんでいたり、唄と合わなかったりで滅茶苦茶。 特に『京の四季』は先月の発表会が終わってから初めて舞ったため、隣で先輩のSさんが発表会のために変更した箇所を其の侭舞うのを見て(本来の振りと発表会バージョンは振りが逆になっていたりする)思わず笑ってしまいそうで、それを堪えるのがいとも辛かった。 久々の帯に締め付けられている脇腹がつりそうで慌てたくらいだ。
『汐汲み』は、うんと身体を沈めて舞うのだが、これまた数週間洋舞のみに慣れていた躯が悲鳴をあげる。 あっという間に汗が噴き出し、腿が割れるかと思われる程痛くなる。 稽古を楽にしてくれるのは、稽古だけなのだと。 たった数回のお休みで躯がリセットされているのを実感して失望。 毎度ながら「何故ここまで自虐的に躯を痛めつけて踊りたいと思うのだろう?」と自問を繰り返す。 しかし、矢張り、稽古が終わって帯を解いた時の快感が何よりなのだ。 とどの詰まり、舞踊を好きだという者は大概にして自虐的ということだろう。ストイックに自分を虐め抜くことがあるからこそ、普段の甘やかしを赦そうという浄化作業なのだろうか。
踊る自分が好きなのではない。 踊ること自体其のものが好きなのだ。 理屈ではない。
話は全く違うのだが、先日久しぶりにメンテナンス(とは云え、空気入れるだけだが)に愛車を自転車屋へ持って行く。 2ヶ月に1度は空気を入れに持って来てくださいねという自転車屋のアドウ゛ァイスを無視して乗っていたので、少々気後れしつつも。 二ケツはしているし、雨の日もガンガン乗っているわけで、時には遠出にも付き合ってもらっている愛車。自転車屋に嫌味の一言くらいは云われても仕方があるまい。 前輪の空気を入れつつ、鋭い目線で愛車を見る自転車屋。 後輪の空気を入れ、ブレーキチェックをし、私のほうに向き直る。 「ありがたいね。」と自転車屋。 「へ?」何のことだか意味がわからず漏らす。 「いや、こんなに綺麗に乗ってもらって、可愛がってもらって、こいつは仕合わせもんだ。」自転車屋の笑顔に照れる。 「結構ヘビーに乗っているんですけれど・・・」という私の言葉にも「だったら尚更だ。嬉しいね。」と。 其のような、些細なやりとりが何れ程私を喜ばせてくれたか。 そして、これからもっと愛車を大切にしようと強く思うのだ。
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