Dance日記帳
モクジ|キノウ|ヨクジツ
日舞の稽古へ。
此れでもか、と、ダメ出しを喰らい、大腿も心も疲労困憊。
おおよそあがった「汐汲み」を浚ったのだが、曖昧な動きや、うっかりど忘れしてしまった部分があったりと、叱られても当然。 しかも、今月は稽古が不規則になっていたりして、毎週コンスタンスに練習できていないのだから、尚更にダメ出し具合も割増しされる。
「稽古は一日休んだら三日分休んだことになる」という師匠の言葉。 痛く身体にも心にも突き刺さる。
解剖学的にも少なくとも週に最低2回は同じ内容で同じ分量の練習を続けるのがベストではある。此れがやんわりと身体を維持できるラインだ。 1週休むと、結果間が2週空いてしまうことになる。 自主練習では流石に師匠に見てもらう程の内容には追い付かない。
踊ることを心底楽しむことができる躯と心を保つためには、どんなに忙しくても週に最低2時間から4時間の稽古は必須であるということを今日の稽古を通して痛感する。 たった2週空いただけで此処まで辛く感じるとは。 ひとつの型を浚うだけでも、膝が笑い、腿がひきつる。 肌着を越え、更にはお端折した浴衣のうえの腰紐を越え、伊達締までもが汗で驚くほど重くなる。 こういう時の稽古は「踊る愉しさ」など一切なく「只管に辛い」のだ。何故此処迄して自虐的に踊るのだろうかと不思議に思うくらい辛い。 自由に動かぬ自分の身体が、単なる重い荷物のようで、厄介で堪らない。 久々に本気で泣きそうになりながら四肢を動かす。 汗を拭う間もなく。
稽古のあと、稽古場の板床の上に正座し、師匠の話を聞くことおおよそ半時。 完璧なまでに感覚を失ってしまった脚。 S先輩も久々に一緒に稽古したMさんも3人して床の上に呆然と座ったまま。 「まずは指を折りなさい。感覚が戻るまで立っては駄目!」という師匠の指示のもと、3人とも無様な姿でフリーズ。 ジワジワと戻ってくる脚の感触に戸惑いつつ、正座も毎週やっておかなきゃ駄目ってことなんだと思う。 躯の感覚というのは其れほどまで忘れやすく、思い出しにくいものなのだろう。
自宅に戻り、暫く正座のまま繕い物などをして反省をしてみる。 既に大腿は絶望的な筋肉痛に見舞われている。 バンテリンを塗って、ストレッチをしていいかげん寝るとしよう。
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