また帰って来たロンドン日記
(めいぐわんしー台湾日記)

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2003年11月02日(日) 日本と中国は戦争中である

中国西安の西北大学で、日本人留学生らが「わいせつ寸劇」を演じたことに端を発する
一連の報道を見ると、つくづく「日中両国家は戦争中である」という認識を持つ。
以下のページ、参考までに。ニュースの検索サイトでの検索結果。

http://nsearch.yahoo.co.jp/bin/search?st=n&cr=1&p=%C8%BF%C6%FC%A1%A1%C0%A3%B7%E0%A1%A1%A5%C7%A5%E2%A1%A1%C0%BE%B0%C2%A1%A1%C6%FC%CB%DC%BF%CD%BC%ED%A4%EA&or=1&c=

確か2年ぐらい前だったと思う。
イギリスにはTHE TIMESという大新聞があるのだが、その日曜版で日本たたき特集があった。

「日本のひどい伝統を破壊するためにも、広島に原爆を落としてよかった」
「日本人女性は家事労働の奴隷、もしくはセックスのおもちゃである」

「クオリティー・ペイパー」というには、非常にお粗末な文言がならぶ。
折しも、アメリカのニューヨークで、世界貿易センタービルに飛行機が突っ込んだ
何日かあとのことだった。俺は思った。

「日本とイギリスは戦争中なのか?」

そして俺は思った、

「俺は、もしかしたら殺されるかもしれない」

ただ日本人であるという理由で、、、。

妄想といってしまえばそれまでだが、911のあとのロンドンでは、
ムスリム系の小学校が児童の安全を確保できないとの理由で休校になったり、
中東系のタクシーの運転手が外見上の判断で殴られたり、殺されたりと、
不穏な雰囲気がただよっていた。

そんな状況下で、このTHE TIMESの記事に抗議すらできない日本大使館に対して、
怒り、失望した。

今はイギリス人に怒っても仕方がないと思っている。
『いいイギリス人』はいる。
ただ、イギリスという国は、天下の大新聞がこれだけの記事をなんの躊躇もなく
載せることが出来る国であり、
そういう記事を待っている読者が大勢いるということだ。

この記事に関して全く関心を示さないロンドン在住の日本人にたいしても、当時はすごく怒っていた。
でも今は、怒ってもしょうがないと思っている。筋違いであるとさえ思っている。
ただ大使館に対しては今でも怒っている。



さて、中国である。
中国政府は駐中大使を中国外交部に呼びだし注意をしたりしているようだが、
こちらとしては邦人の安全を確保できない西安市の治安対策に抗議をするべきであろう。
「わいせつ寸劇」なるものを見ていないので、何とも言えないのだが、
大学寮内の日本人を探しだし暴行を加えるなどという反応はあきらかに異常であり、
過剰である。邦人が殺されても、
「破廉恥な日本人のせいである」と言われかねない。

「どのような理由であれ遺憾」

などというコメントを外務省は出している。いい加減にしてもらいたい。
はっきりとした態度を示せ。

「官僚諸君、俺は期待している。胸を張って中国とやり合ってくれ。
エリートの本領を発揮してくれ」

中国に行くということは、こういうこと起きるかもしれない場所に行くということだ。
局地的に戦闘が起こるかもしれない国に行くということだ。


実は、9月にロンドンに帰って来てから、何人かの中国人に会って、
中国人のイメージが変わっていた。
非常にフレンドリーな中国人に多く会った。
そういう意味でも、今回の中国の異常な反応は非常に残念だ。
ま、十何億の人口を擁する中国の人々を、中国人と一把ひとからげにするものおかしな話だが、
ただ、われわれは、中国とはそういうことが起こりうる国であり、
反日というお題目に飛びつく人間が多く存在する事実に目を背けてはいけない。

中国語の学習者としては、なかなか複雑だ。
英語をしゃべるにせよ、中国語をしゃべるにせよ、自分に誇りをもって媚びず
凛とした態度で望みたいものだ。


倉田三平 |MAILHomePage

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