また帰って来たロンドン日記
(めいぐわんしー台湾日記)
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2003年12月08日(月) |
【映画】ペイ・フォワード PAY IT FORWARD |
なんとなくご飯を食べながらBBCでやっていた映画を見てしまった。 邦題は「ペイ・フォワード」英題は「Pay It Forward」。 設定がなぁ「サバイバー設定」なんだよなぁ。 それでついつい見てしまった。
「サバイバー」というのはsurviveした人と言う意味。 狭義ではレイプされた女性がその経験を「survive=生き延びた」と言う意味で使われる。 おれはもっとひろい使い方をしていて、主観的にどんなものであれ、 その人が「生き延びた」と思う状況、または実感があれば、 それをサバイバーと呼んでいる。もちろん俺は自分自身もサバイバーであると思っている。
そういう「サバイバー」的な状況が設定に反映されている。 たとえば、主人公のトレヴァーの母はアル中で、父は家出中。 父は家に帰ってくると暴力をふるうが、子供には手を出さず、母親だけに手をあげる。 トレヴァーの社会の先生もそういう家庭の出身。 トレヴァーのおばあちゃんは今はホームレスになっているし、 ジェリーというジャンキーの男も出て来る。
何らかのトラウマ的経験が日常化していたり、家庭環境などが安全でなかった人が、 ほとんど習慣化した思考回路や行動パターンを変えるのは非常に難しい。 サバイバーが自身の異常な状態に気付き、意識的にそれを乗り越えていこうとしたときに それをスライバー(thriver)という。
俺は、こういう言葉や考え方は斉藤学という精神科医の本から学んでいる。 この映画は、こういう視点がなければ、 感動しても「浪花節」的なコンテキストに引きずり込まれそうだ。 まそれでも別にいい。 もちろん、こういう話に触発されてpay it forwardを実践してみるのもいいかもしれない。 ただ、主人公の少年トレヴァーが言うように「うまくいかない」確率が高い。(笑
あんまりこういう風に書くとうまく言えなくなってくる。 自分で書いていて「だからなんなんだよ」って思えてくるからだ。
でも、やっぱり面白い映画だったし、 久しぶりに目の掃除が出来てすっきりした。
参考までに関連ページ http://www.watch.impress.co.jp/movie/column5/2001/09/07/
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