また帰って来たロンドン日記
(めいぐわんしー台湾日記)

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2003年12月07日(日) クラスメート

最近中国語学科のクラスメートとよくあそんでいる。
こんな風に自然にイギリス人と交わるのは実ははじめてで、4年目にしてやっと「ふつう」な感じで楽しいイギリスでの大学生活を送っている。


外国人同士で仲よくなったりすることはあっても、イギリス人とふつうに仲良く付き合えるという経験はあまりなかった。
イギリス人と自分との間の、何らかのバリアが強烈にあったのだろう。


ただ今回のイギリスへの「帰国」は今まで通りではなかった。


クラスメートのカリちゃんとジョニーはイギリス人。ふたりとも中国語をけっこうしゃべる。
最近すごく中がいいイギリス人だ。
カリちゃんは公立だけどグラマースクールを出ている。
彼女がこの事に触れたとき

「言っとくけど、上位10パーセントの子しか入れない学校なんだからね」

と言って、少し誇らしげだった。
そのせいか、俺にとっては発音がまだ聞きやすい。
もちろんこの子、ぼそぼそしゃべったりするし、俺が聞き取れなくてよく聞きかえすことも多い。

最初はクラスでカリちゃんが時々話しかけてきて、なんとなく仲よくなった。
この子のフラットメイトは台湾人、中国人が多く、台湾語をきっかけにだいぶ仲よくなったかな。
彼女の中国語は発音がけっこう良くて、彼女に中国語の声調を直されることも多い。
辞書を調べて俺の方が正しいときはイギリス人らしく、ちょっと悔しい顔をする。(笑

もちろん彼女は他の生徒と一緒に北京に一年留学したので、ばりばりの「北京仕込み」の中国語。
転入試験を受けてあとから入ってきた俺の「台湾仕込み」の中国語とは語彙の違いもあっておもしろい。

例えば台湾では

「〜〜なだけだよ」

と言うときに、よく

「〜〜而已(〜〜あーいー)」

と言う。彼女的には北京では聞いたことがなく、

「うーん。すごく古典を読んでいるような感じがして、すごくおもしろい!!」

と言って、俺がよく使うのを面白がっている。


ジョニーはイスラエル系のイギリス人で、生まれも育ちもロンドン。
英語の発音は時々わからないけど、多分東洋人慣れしているのと(というか、東洋好き)
持ち前の人懐っこさですごく気さくな感じ。
この人広東語がけっこうしゃべれるので、目下俺の広東語の先生でもある。
実はこいつ、この前学校の前で再会した日本人の友達、是大夫(これだゆう)の知り合いだったらしく、
以前彼の家のパーティーで会ったりした。
そう言えば、このときジョニーは変な友達を連れてきていたなぁ。
その友達、自分は麻原彰晃(こんな字だったかな??)だと言って、
クンダリニーがどうとかこうとか、、、なんかおかしなやつだった。


ペッテリはフィンランド人で、実は中国語を選んだことをかなり後悔している。
日本語にすべきだったといつも言ってる。(笑
こいつは去年、中国に留学中の冬休みに、日本に船で遊びに行ってとても日本のことが好きになったらしい。
もともとマンガやアニメが好きで、変な日本語ばかり教えてくれと言っている。
最近彼が覚えた日本語はと言えば、例えば

「まずい! トイレに言って吐こうか」
「ばらばらにしてやる」
「僕は変な外人。方向音痴です」
「あの女、変。ぜんぜん駄目だ」

自分でアレンジしている日本語もあるのだけど、だいたい聞いてくる英文が、
こんなのばかりで、同じような意味のことを日本語で言うと、
3日間ぐらいは俺の前にきては同じことを繰り返して覚える。
そのくせに、日本語をしゃべるスイス人のミカエルに

「三平太は変な日本語ばかり教える」

と、いいカッコしている。
俺の逆鱗に触れたのはいうまでもない(爆


このメンツでご飯を食べに行ったり、お茶したり、ビール飲んだりなかなか楽しくやっている。
おかげで勉強ははかどらないけど、もともといい成績をとることが第一の目標ではないので、
こういう風にリラックスできる環境が出来るというのは俺にとっては願ったり叶ったり。

学校が始まって2ヶ月半たって、だいぶうちとけてきたっていう感じかな。
この調子で、後一年半無理なく勉強して卒業できたら、
また新しいものがいろいろ見えてくるだろう。将来のイメージが持てて、幸せを感じるひととき。



そうそう、ぜんぜん話は違うけど、イラクで亡くなった日本人外交官の話。
もと早稲田のラグビー部にいたらしいのだけど、インターネットで日本のテレビニュースを見たときに、彼の後輩が出て

「本当に素晴らしい人を無くして残念だ。彼はいつも『なんでも最後はハートだよ』 って言ってました。」

と言っていた。なんともクサイけど、いいなぁと思った。
こういうことをはっきり言い切れて、後輩にも信頼されるような人はやっぱりすごいと思った。

もう一つ最近俺が感動したこと。
ついに永久帰国してしまったうちのフラットメイトのさばちゃん。
俺が授業の準備がきつくて

「最近は本当に授業についていくのがつらい」

って泣き言を言ったとき、

「そうかぁ。でも、三平太は今すごいことをやってるよね。
これだけのことをやってるんだから、これをやり終えたあとは何でも出来るよね」

と、彼に返された。
なんとも勇気づけられて、徹夜明けで死にそうだったけど、しゃきっとして広東語のクラスにいくことが出来た。
都会の忙しい生活(しかも「ロンドン砂漠ー♪」)で自分を見失いそうになりがちなとき、こういうことって本当に大事だと思う。


今週の金曜日には帰国。
まだ、いくつも提出物があって、日曜日は缶詰めの予定。
いろいろと自然に力が沸いてくる。
自分が今の環境に慣れていくにしたがって、まわりや自分が変化していくのを感じる。

この一学期はいいスタートになったんだなと思った。


倉田三平 |MAILHomePage

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