また帰って来たロンドン日記
(めいぐわんしー台湾日記)
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2004年01月09日(金) |
【ほん】斎藤学 「自分のために生きていけるということ」 |
斎藤学「『自分のために生きていける』ということ」 寂しくて退屈な人たちへ
【紀伊国屋BOOK WEBより】
自分を認め、許し、愛していくのはあなた自身!私は何がしたいのか?「個性」とは?「ホンネ」とは?いきいきとした感情生活をとりもどし、よりよい人間関係をきずくための一冊。
第1章 「退屈」に耐えられず、何かにすがりつく心 第2章 人はなぜ、自分の「欲望」を見失うのか 第3章 「寂しさ」の裏にひそむ「怒り」をくみ出せ 第4章 あなたの「インナーチャイルド」の声に耳を傾けよう 第5章 パワーゲームを降りて「魂の家族」をつくる 第6章 「一人でいられる能力」が「親密な関係」をきずく
大和書房 (1997-05-15出版) [B6 判] NDC分類:159 販売価:\1,500(税別) 254p 19cm(B6)
【感想】
斎藤学のほんは今までに翻訳監修本等を含めてかなり読んできた。斎藤氏はこの本を「ふつうの人」に読んでほしいと言っている。と言うのはこの人は「家族機能研究所」という機関の設立者であり、日本における「嗜癖(しへき)」(=アディクションの邦訳)研究の第一人者であるため、専門的な本も多いのだが、この本は読んでみると確かになるほど万人向けだなという気がした。
この本の裏表紙とびらの著者紹介には「アルコール依存・薬物依存などの依存症の研究の第一人者。過食症、拒食症、児童虐待など、多岐にわたる「現代社会の病」をつきつめていくと、健全に機能していない「家族」のあり方にその要因を見ることができると説く。」とある。この発想は僕にとってはきわめて新鮮だった。台湾に住んでいるときに日本から多くの本を取り寄せて読み、ものすごく影響を受けた。この人のほかの本についても追々紹介できたらと思う。
まだ読んでいる途中だが、この本の中の「あなたの人生の主旋律を見つけ出せ」と言う言葉がすごく気に入った。斎藤氏は今までの経歴上、いろんなことに手を出して、「一体何がやりたいのかわからない」というようなこと周囲にたびたび言われてきたらしい。しかし最後に彼は一貫して「家族」というものに興味を持ってきたということに気がつく。
人はその時その時で興味を持つことが変わってくる。そして、その人が何をやっているのか、どういうテーマをもって行動しているのかはその本人に聞いてみないとわからない。もしかすると聞いてもわからないかもしれない。そして、次から次へと違うメロディーを奏でているように聞こえても、ひとつの曲としてまとまっているはずだ。誰の人生にも、その底を流れる主旋律があるはずだと。
そうだなぁ。それを強引に社会の文脈で説明しなくてもいいんだなと思った。俺もいままでいろんなことをやってきた。やんちゃなこともたくさんやって来た。中学高校時代の友達には「お前は一体何がやりたいんだ?」と言われる。それは今の俺にはまだわからない。ただ。底を流れる主旋律があることに俺は気付いている。その主旋律はなんなのだろう。そう考えると自信が湧いてきた。自分が自分であることに理由やいいわけは必要ない。そんなことを考えたりした。
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