カンラン 覧|←過|未→ |
と思っていた奈良美智展がとうとう終盤に入ってきたので 午前中にもぞもぞと布団から抜け出して 現代美術館まで行ってきました。 ************************************ 普段路面電車にしか乗らない私は たまにバスを利用すると すごくどきどきします。 どこで降りたらいいのかもわからない状態のくせに 一番後ろの席に乗り込んでしまいました。 よりによって買い物袋をたくさん下げたおばちゃん2人が 出口への道に蓋をするかのように座ってしまいました。 あー。 どうしよう。 次で降りるべきなんだろうなぁ,と思ったところで おばちゃんたちのおしゃべりはのりのり。 あー。 次こそ降りよう。 電車では 「お降りの電停が近づきましたらお早めに出口にお越し下さい。」 なのに, バスのアナウンスでは 「バスが完全に停車するまで席を離れないで下さい。」 って言ってる。 でもここに閉じこもっていては降りれそうにない。 ということで走行中の不安定な車内で おばちゃんに一度席を立ってもらって抜け出しました。 ふらふらしてましたね,ごめんなさい。 ということでバス停を一つ歩いて戻って 山の上の美術館に向かいました。 ************************************ 私はあんまり お人形さんだとか ぬいぐるみだとか 女の子が「きゃぁ,かわいいー!」って 声をあげるようなかわいらしいものが好きじゃない。 昔っから。 だからうちにもそんなものは転がってたためしがない。 けど奈良さんの描く女の子は 見てるとちょっと切なくなる。 「ほんとはさみしいんでしょ?」 って言われてるような気がする。 見透かされている感じ。 鋭い目にぎくりとさせられて, 淡くてやさしい色彩にほっとさせられる。 矛盾。 弱いところを人前にさらすのがこわい私。 ときにきつい顔してんだろうなぁ,って 自己嫌悪に入ってしまうけど, それも自分でいいじゃない,って 絵の中の女の子に ぽんっと言われるような そんな気がします。 『Fountain of Sorrow』 しずかに流れ落ちるなみだの噴水。 館内がしぃんと静まった瞬間に ぽちゃん・・・ぽちゃん・・・と ひかえめに響く水の音にしばらく聞き入った。 常設展も見てから美術館をあとにする。 ************************************ 吹く風でかたちを変化させる大きなオブジェの前で ちょっと休憩。 美術館の中を歩いた後ってなんでこんなに疲れちゃうんだろ。 距離的には大したことないはずなのに。 そんなことをぼけっと考えていたら 隣のベンチに座っていたおじさんが ゴルフクラブを手にオブジェのそばへ。 背伸びして ゴルフクラブを上に高くのばして オブジェを動かそうとしてる。 風だけじゃなく おじさんの力をも借りたオブジェは おじさんがいなくなった後も くるくるくるくる そのプロペラ状の翼をまわしていました。
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