カンラン
←過未→


2002年05月25日(土) 5月25日の過ごし方


まだ大丈夫,大丈夫・・・
と思っていた奈良美智展がとうとう終盤に入ってきたので

午前中にもぞもぞと布団から抜け出して
現代美術館まで行ってきました。


************************************


普段路面電車にしか乗らない私は
たまにバスを利用すると
すごくどきどきします。

どこで降りたらいいのかもわからない状態のくせに
一番後ろの席に乗り込んでしまいました。

よりによって買い物袋をたくさん下げたおばちゃん2人が
出口への道に蓋をするかのように座ってしまいました。


あー。
どうしよう。


次で降りるべきなんだろうなぁ,と思ったところで
おばちゃんたちのおしゃべりはのりのり。


あー。
次こそ降りよう。


電車では
「お降りの電停が近づきましたらお早めに出口にお越し下さい。」
なのに,

バスのアナウンスでは
「バスが完全に停車するまで席を離れないで下さい。」
って言ってる。


でもここに閉じこもっていては降りれそうにない。


ということで走行中の不安定な車内で
おばちゃんに一度席を立ってもらって抜け出しました。


ふらふらしてましたね,ごめんなさい。



ということでバス停を一つ歩いて戻って
山の上の美術館に向かいました。


************************************


私はあんまり
お人形さんだとか
ぬいぐるみだとか
女の子が「きゃぁ,かわいいー!」って
声をあげるようなかわいらしいものが好きじゃない。

昔っから。

だからうちにもそんなものは転がってたためしがない。



けど奈良さんの描く女の子は
見てるとちょっと切なくなる。


「ほんとはさみしいんでしょ?」
って言われてるような気がする。


見透かされている感じ。


鋭い目にぎくりとさせられて,
淡くてやさしい色彩にほっとさせられる。


矛盾。


弱いところを人前にさらすのがこわい私。

ときにきつい顔してんだろうなぁ,って
自己嫌悪に入ってしまうけど,
それも自分でいいじゃない,って
絵の中の女の子に
ぽんっと言われるような
そんな気がします。



『Fountain of Sorrow』
しずかに流れ落ちるなみだの噴水。
館内がしぃんと静まった瞬間に
ぽちゃん・・・ぽちゃん・・・と
ひかえめに響く水の音にしばらく聞き入った。



常設展も見てから美術館をあとにする。


************************************


吹く風でかたちを変化させる大きなオブジェの前で
ちょっと休憩。



美術館の中を歩いた後ってなんでこんなに疲れちゃうんだろ。
距離的には大したことないはずなのに。



そんなことをぼけっと考えていたら
隣のベンチに座っていたおじさんが
ゴルフクラブを手にオブジェのそばへ。

背伸びして
ゴルフクラブを上に高くのばして
オブジェを動かそうとしてる。



風だけじゃなく
おじさんの力をも借りたオブジェは
おじさんがいなくなった後も
くるくるくるくる
そのプロペラ状の翼をまわしていました。



BROOCH |chut! mail マイエンピツに仲間入り