カンラン
←過未→


2002年07月01日(月) 大きくなっても


あの山の向こう側の風景を私は知らない



大きな体のこっち側にはどんどんどんどん成長を続ける住宅地が

夜には銀紙金紙に包まれたチョコレートのように

びっしりと並ぶ

ひとつひとつの家の明かり



あそこからは海に浮かぶ島だって見えるらしい

時には波間を行き交う船だって



大きな体のむこう側にはどんな風景が広がっているんだろう



私の好きだった先生はあっちの方に行ったんだって

随分前のことになるけど

お母さんが言って指差した



あの大きな大きな山のむこう側




BROOCH |chut! mail マイエンピツに仲間入り