カンラン
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2002年08月02日(金) 違うのは,ただそれだけのこと。




小道の借家の住人がかわってから

楽しみがひとつ減った。

私の背丈よりすこし高いぐらいのあたりに

揺れるオレンジ色の大きな花が咲かなくなった。

毎年どこか南国めいたその花を

数日間見上げて過ごし

早朝の地面に落ちたものをひとつかふたつ拾っては

本にはさんで押し花にするのが好きだった。

誰も触っていない,

誰も踏みつけていない,

ひんやりとしたその花を小道で見つけるのが好きだった。



そのかわりに今年は何枚も何枚も

きれいな落ち葉を拾ったんだ。


しつこくしつこく去年あの花が咲いてた場所を

何度も見上げながら。





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