カンラン 覧|←過|未→ |
私はおつむをどこかに置き忘れてきたようだ。 いつかどこかに。 そう。 そんなだから、 考えてるようで考えちゃいない。 聞いてるようで聞いちゃいない。 分かってるようで分かっちゃいない。 見てるようで見ちゃいない。 いろんなものをやり過ごしてる。 すぅーすぅーっと。 でもだからって楽じゃない。 とても低レベルなことだったり、 どうしようもないこと、 くだらないこと、 つまらないこと、 (↑誰と比べて?・・・イッパンってやつか?) そんなものに埋もれそうになりながら 今日も一日を過ごしてる。 自分がいままで躓きも拾い上げもしなかった物事に どういう具合かふと心を寄せる瞬間がある。 ごくたまに。 今日は久しぶりの仕事の帰り、 長距離電車に揺られてうつらうつらしていると 膝上のカバンからちらりのぞく 封筒に目が止まった。 あぁ、お香典もらったんだった。 それから眠気がぶわっとかぶさってくるまでのほんの少しの間、 オコウデン おこうでん お香典 あぁ、これって 「これでお香でも買いなさい。」っていうお金なのかと 阿呆のように思う。 葬儀会社からもらったお線香は いかにもお線香な香りで、 お母さんは「いいお線香が欲しい。」って言ってた。 お香典か。 いいお線香か。 いいかおりのするいい言葉。
|