カンラン 覧|←過|未→ |
ちょっとしんどくないかしらん、とひるむ母と私を尻目に 本人、出発時間を告げて就寝。 2時半起床、3時半出発。 父の運転する車中、 母、翔平、私はひたすらむさぼるように睡眠をとる。 目覚めると山口県西部。まだ先は長し。 熊本にて朝食。 寝ぼけていても、ウェイトレスさんのなまりに九州入りしたことを実感。 知人のN氏の口調に近く親近感がわく。 市内は熊本城、水前寺公園を散策。 原爆投下を受け、その後立て直された広島城とは違い、 その端々にずっしりとした歴史の重みを感じることができる。 石垣だけでも一見の価値あり。 幸運にも天守閣から、そうとう晴れ渡っていなければ見ることができないと言う もうもうと立ち上る阿蘇のけむりを望む。 得した気分。 場所を移して水前寺公園。 きれいに手入れされた園内を散策。 富士や東海道五十三次を模しゆるやかな曲線を描く芝山は圧巻。 緑の中に紅葉が映えるいい時期に訪れることができた。 三人でひとつ、いきなり団子(だご)をいただく。 ほくほくしたお芋と外側のかわのもっちりねっとりが絶妙。 おみやに大きくていいにおいのするざぼんを購入。 車を走らせ一路、阿蘇へ。 見たこともない広大な自然にしばし言葉も出ず。 阿蘇に行った、と言うより、阿蘇に飲み込まれた、感じ。 目の前に広がっているのに、 その真っ只中にいるのに、 あまりにも日常とかけ離れていて、 ポスターで見るどこかの国の風景のように 実際に手を伸ばして触れることのできないような距離を感じた。 目玉を人に託してはるかかなたの光景を映して来てもらったようなもどかしさ。 ほんとに目の前に広がっているのに不思議だ。 あんまり圧倒されると人間は謙虚になってしまうのか。 締めはロープウェイに乗って山上にて火口見物。 家族揃っての久しぶりの遠出らしい遠出。 ぐったり疲れはしたけどほんとにほんとに楽しかった。 目に映るものすべてにじんわりここちよく刺激され、 後先考えずたくさんたくさん写真を撮ることもできた。 こないだの三段峡のときよか少し、カメラ操作にも慣れたかな。
|