カンラン
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2004年01月06日(火) わたしのわ





お風呂あがりの一杯の紅茶堪能中に

私の電話らしくない電話がうぃぃんうぃぃんと長いこと唸った。

なんと珍しき出来事。

かちっと出てみると関東に住む友人から。

時の経過とともに、より一層環境悪化の一途をたどっている彼女の勤め先の話をして、

一息ついた彼女がふと「私、今年で29だよぉ。」ともらした言葉に一瞬混乱。

あぁ、そうだっけ。

え?つーことは私、今年28?

あぁ、そうだっけ。

いつのころからか調子よくわからなくなる自分の年齢。

めったに会えない友達は私の中ではいつまでも当時の年齢のまま、ってのもあるし。

昔は28とか29ってすんごい先のことだと思ってたけど、

わずか数ヶ月先に手をこまねいて待ってるわけで。

すごいな、結構生きてるな、俺たち、みたいなことを話した。



木だったら、えいやさっと切ったところにほぼ30本に近い輪っかが姿を現すわけです。

すげー。

そんな輪っかを1本1本指の先っちょにひっかけて食べてしまいたい。

両手の指じゃたりないから、食べたはじからまた新たにひっかけて。

辛いの、甘いの、しょっぱいの。

それなりにいろいろあったしなぁ。

最後の5本ぐらいのところからじょじょに痛みに似た渋みが舌先にはしり、

吐き出してしまいたいと思ったところ、

残り3本あたりで噛み締めるほどにじわじわと体に染みわたる甘み。

そして今はしあわせだと思う。

日々、許容量ちいさなこの頭を騒がすことが起こったりもするけれど、

ここちよくやすらげるふかふかの枕があるからだ。

頭を沈めるとそのかたちにふんわり窪んでくれて、

朝が来ると起き上がるのを助けてくれるようにしてふわっと弾む。



うっすら浮かびあがる最後の1本はきっと私の気に入る味だろう。








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