「だって嫌いなんじゃもん、職場。」そんなことをさらりと言ってのける人だった。あの人は。私はと言えば、耳から心臓の間を妙にどきどきさせながら、「いや、でも・・・。」「・・・なんだけどね。」「しょうがないよね。」そんなことばで自分の気持ちを塗り固めては、表にひびくことのないように・・・、とまったくもって無駄な労力を注いでばかりいた。一体誰に対して取り繕ってんだか。私にはきっと届かない場所。