頭の中に広げた地図。遠く遠くの君住む街に思いを馳せる。馳せてどうする、と自分に呆れながらも、馳せるのだ。知らない街をどうやって思い描くのだ、と自分を笑いながらも、馳せるのだ。地図の上に手紙を書くよ。君住む街とこの街との間をたくさんたくさんの文字で埋めるのだ。陸も海も湖の上だって、気にすることなく綴ればいい。そうすれば、きっと、あっという間に君のもとへ渡って行ける。