カンラン
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九州より帰還。
滞在中、連日雨降りでも仕方なし、とややテンション落とし気味で出発したものの、絶妙なタイミングでするりするりと雨をかわし続けて、予定していた通りに旅することができた。 雨おとこ(つちのこ氏)に、晴れおとこ(ぴのき)が勝った。万歳。
阿蘇山上はやはり別天地。からだに染み付いた日常がふわっと空へ溶けゆく。 はじめてのつちのこ氏も、二度目の私も、ぐるり広がる風景を忘れまいと時間をかけて目に焼き付けた。 それでもきっと積み重なる日々にもまれて消えてしまう。かなしいけれど。でも、だからこそ、毎回毎回新鮮な気持ちで見ることができるのだろうな。 また次もここにこうして立てますように。
初日は、ぴのきのこころをくすぐるべく予約したドームハウスに宿泊。 夜は雨で、残念ながらきれいな星空を見ることはできなかったけど、ひとつだけ、強く光を放つ星を見つけることができた。
次の日は夢大吊橋経由で九酔渓温泉へ。 天然の滝を3本も4本も一度に見たのは初めてのことだった。遠くから見ても大きく勢いよく流れ落ちる滝。滝というのは何やら潔くも、おそろしいものだなあ。 おそろしいと言えば、日本一の吊橋もおそろしくはあるけれど。
温泉宿は思っていた以上の満足度だった。 夢にまで見た透明じゃない色の湯に浸かり(今まで行った温泉のお湯はどこも澄んでいたので)、これでもかというほどの料理をいただいた。
深夜、眠れずひとりで入った温泉。 私の不在にぴのきが起きやしないかと心配しながらも、思い切ってそうっと部屋を抜け出し、坂を下りたところの家族風呂に入った(露天に入りかけたが、なにぶん深夜にひとりっきり。鍵のかからないあたりに少々不安をおぼえて退散)。 一瞬、自分の世界がふつっと途切れた。
気持ちをすっきりさせて部屋に戻ると、布団にころがるつちのこ氏とぴのこ。 あしもとを見やれば、ここが自分の世界。
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