カンラン
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2007年08月19日(日) 年月

小さい頃何度となく連れて行ってもらったデパートの屋上に行ってみた。



考えてみればかれこれ20年以上にもなる。

どきどきしながらエレベーターの操作盤の「R」を押す。扉が開いて、その先の自動ドアが開いて、そこに広がる空間は、まぎれもなく私の大好きだった場所。

たしかに、たしかに。
いばら状の金属にくるまれた巨大なタンク(空調か何かの水があやしくボタボタ落ちている)や、頭上を走るハイウェイカーのレール。お馬や馬車が輪になったメリーゴーラウンド。階段を上がった先に乗り場のあるダンボ。



屋上をゆっくり一周すると、「あ、この先には小さな神社(?)があった」とか「ここには大きなバルーン(中に入って飛び跳ねて遊ぶ)があった」とか、どんどんあふれ出す記憶。

変わらない。

いや、実際、遊具もコインを入れて勝手に遊ぶようなものに代替わりしているし、ペットショップや大きな大きな釣堀(もしかしたらただ鯉を売っていただけかも)もなくなっている。人は、悲しくなるほど、まばら。

だのに、変わらないなあと思う。
そのまま時間が止まってしまったかのよう。
そのまま忘れられていたかのよう。



ぴのきを遊ばせて、日陰のおりたたみ椅子に腰掛けて1本のりんごジュースを一緒に飲んだ。うだるような暑さだけど、そうしていると意外に落ち着けて、少ししゅんとしていた気持ちが和らいだ。

顔を赤くして男らしくごくごくとりんごジュースを飲むぴのき。
頼もしいぞ。

もう少し大きくなったら、一緒にハイウェイカーに乗ろう。
トンネルはちょっとわくわくするよ。


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