カンラン
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朝、まだ布団にくるまっている私の足もとに立ち、つちのこ氏が深刻な顔で何かつぶやいていた。 「なに?」と聞き返してみたところ―
1.この世のものとは思えない生物が風呂場にいた。 2.見る? 3.浴槽付近をきれいに洗ってくれ。
という内容だった。 想像したくないような出来事が朝から繰り広げられていたことはわかったのだが、2番目の「見る?」が気になるところ。つまりソレはまだそのあたりにある(=生死不明)のだろうか。
とりあえずもぞもぞと起き出したところ、「やはりBROOCHさんは見ないほうがいい」とソレとおぼしきものを包んだティッシュをごみ袋にいれて厳重に封をするつちのこ氏。(ちょうど燃えるごみの日)
そんなミステリアスかつ気持ちのよろしくない朝を向かえ、私たちはそれぞれの一日を過ごした。私は、もちろん言いつけ通りに風呂場をごしごし洗い上げた。
夜、くわしい話を聞いて鳥肌をたてる。 つちのこ氏が遭遇した虫はおそらくゲジゲジというやつで、毛虫のようなほっそりボディにおそろしく長い毛状の手足がたくさん生えており、頭とおしりに触覚と思われるさらに長い毛状のものがそれぞれ2本生えていたのだそう。大きさと全体的なシルエットは巨大なクモ(見たことないけど)のようであったとのこと。
で、あまりの出来事に動けなくなったつちのこ氏は5分ぐらい経ったところでようやく我にかえり、殺虫スプレーにてソレを撃退したのだという。 (その後死体はしばらく放置。朝食を食べて、用意をして、家を出る前の最後の最後に処理)
こ・・・こわい。もしそれが自分だったらと想像して鳥肌倍増。 つちのこ氏曰く「BROOCH法に換算すると、家出レベル」。 (私はその昔ひとり暮らしをしていたころに、突然のごきぶりの出現に思わず家を飛び出し、しばらく近所をあてもなくぐるぐる歩き続けたことがある)
ありがとう、つちのこ氏。 おかげさまで私は想像で鳥肌をたてるにとどまったよ。
今日は家族そろってインフルエンザの予防接種を受けた(私とぴのきは近所の内科で。つちのこ氏はかかりつけの病院で)。
子どもを生んでもなお注射と聞くと恐怖心が芽生えるダメ大人。ぴのやんの手前頑張っているが、内心「やはり打つのかー」としつこくしつこくうじうじしている。 老人になって注射が日常茶飯事になるころには「注射?それがどうした。大好物よ」ぐらいになれるだろうか。・・・いや、なれないような気がする。
まわりでは聞かないが、テレビで見たところによると、今年は患者数がすでに去年の30倍に達しているのだとか。毎年毎年のことだけど、大流行するのかなあ。
去年一昨年と、インフルエンザやらノロウィルスやらマイコプラズマ肺炎やらさまざまな病気に見舞われたわが家(一番ひどいのは決まってつちのこ氏)。 今シーズンはどうか穏やかに過ごさせてくださいまし。
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