カンラン
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近所の幼稚園に出かける。 自由奔放に転げキレまくるぴのきをどうにかテーブルにつかせてクリスマスの飾りを作る。 輪っかになった緑の画用紙に赤いリボンが結びつけられたものを先生から受け取り、そこに好きなようにシールを貼ったりクレヨンで絵を描いたりするのだ。
なんだろう、嵐のようなものができあがった。
夕食時、つちのこ氏に「うーん・・・配色はいいよね。落ち着いた感じで」と褒めらるも、「それは私がクレヨンを渡したから」とは言い出せずもごもごする。
部屋に大きな態度で居座り続けている段ボールがどうにも気に入らない。 先月、野菜をてんこ盛りにして島より持ち帰ったもので、すぐにつぶすつもりだったのだけれど、ぴのきがえらく気に入ってしまったのだ。
その「さかなたっぷり」と書かれたペットフードの箱は、現在わが家の居間にて、ぴのきがすっぽり入っているか、そうでなければおもちゃがぽいぽい放り込まれている。
つぶすことを諦めた私は100円ショップで「さかなたっぷり」その他云々を覆い隠すために包装紙やテープの類を物色するも、好みのものにめぐり合うことができず、さかなちゃんのイラストが一層忌々しく思えるようになった。
夜、ぴのきを寝かしつけたあとでごそごそと工作開始。 押入れの隅にため込んでいた靴屋の紙袋やら商品冊子やら去年の「暮らしの手帖」カレンダー(図柄が好きで捨てられずとっていた)を引っ張り出してきて、ハサミでじょきじょき切ったり手でびりびりちぎったりして段ボールの化粧直しに取り掛かる。
たまねぎとりんごのケーキを焼き上げて傍らで一服していたつちのこ氏までも巻き込み(赤紙制ではありません、念のため。あくまでも本人の意思)結構な大作が完成。
これでようやく少しは心穏やかに過ごせそう。
それにしても、つちのこ氏(A型)はやはり緻密。 靴の図柄を使うのに「えーと、これが右足だから、ここは左を使いたいのよ。左を」などとぶつぶつ言いながら格闘していた。 ―どうでもいいと思う。(O型)
それにしても、つちのこ氏(A型)はやはりこだわりたがる。 「ねえ、BROOCHさん。これ(男物)とこれ(女物)の歩幅が違うの気づいてくれてた?」 ―「・・・気づいてない」(O型)
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