カンラン
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現代美術館にイリヤ・カバコフ「世界図鑑」展を鑑賞しに行く。
やさしい色あいで描かれた絵本と原画。こんなに上手に絵が描けたら楽しくて仕方ないだろうなあと羨んだり、これほど絵の上手い人でもやはり下絵は念入りに描くのだなあと感心してみたり。
また、ひさしぶりに眺める(悲しいかな「眺める」という表現が的確)ロシア文字には、学生時代にこういう素敵なものに出会っていればもう少しまじめにロシア語を勉強したかもなあと後悔の念をおぼえる。もうだいぶん遅い。 意味はわからなくても読むことはできたのに、それさえも今はかなりあやしくなっている事実をすんなり受け入れる。
ミュージアムショップでマトリョーシカがぽこぽこついたピンとポストカード数枚を買う。
置き文のお相手にふた月ぶりぐらいで手紙を書く。
相変わらず不思議なやりとりではあるが、「今年もまた変わらぬペースでぼちぼちと置き文ができればうれしい」のことばに知らず知らずのうちに饒舌になる。
毎日顔を合わせていた頃より、お互いについてたくさんのことを知っている。つかず離れずの間柄。
そういえば、私の知っている彼は25のままだ。
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