カンラン
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なにやらかきーんと暑い日が続いている。 見る見る腕を焦がす勢いの太陽光線に負けてしまいそうだよ。
ヘンプコードを編んでつくった指輪に刺繍をほどこしたものを友人に送る。 封筒のぼこっとしたふくらみを触った郵便局の若いお姉さんに「これは何が入っているのですか?」と訊かれ、なんとなく恥ずかしくなってもじもじする。 「ヘンプコードを編んでつくった指輪に刺繍をほどこした」そのものが恥ずかしいのか、はたまた「ヘンプコードを編んでつくった指輪に刺繍をほどこしたもの」だと詳しく説明するのが恥ずかしいのかいまだによくわからないが、窓口であわわわわしてしまった。 そんなときにしれっと適当な返しができる人間になりたい。
同封した手紙を書いていて思ったのだけれど、私の書く文字が少し落ち着いてきた。もともと達筆ではない上に、専業主婦となってからは文字を書く機会が激減し、どことなく不慣れな印象が感じられる文字たち。 私とともに年を取ったということなのだろう。
大学時代の書道の先生が、字はその人をあらわすものなのだと言っていたのをふと思い出す。その人をあらわし続けるために文字も変化していく。
便箋に並んだ不恰好な文字たちにもう一度目を通してから封をした。
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