カンラン 覧|←過|未→ |
幼稚園のお母さんと携帯の赤外線通信で連絡先の交換をしていたら、ぴのきが近づいてきて、まま、よかったね、おともだちできて、と祝福してくれる。こちらに越してきて、二度、そんなことがあった。彼なりに私のことを心配してくれているらしい。ありがたく感じると同時に、少々恥ずかしくもある。そんな私たち親子の傍らで、相手方のお母さんは、うんうん、よかった、おばちゃんもお友達になれてうれしいんだよ、と照れることもなく言ってくれる。こういう瞬間は子どもがいてこその世界だ。少し、ふんわりしていて、その時ばかりは世の中の悲しいこととか不安なことから切り離されたところに立っている。
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