みやにっき
詩人を名乗ることにした。

2003年09月18日(木) 右手

ベランダの金柑に虫がついた。
昨年の誕生日に,父から貰ったものだ。
先月,黒アゲハが卵を産んでいたのは気づいていたのだ。
ああまずいなあとは思ったのだが。
その一生懸命な様子に,何とはなしに放っておいたのだった。
しばらく経ったら,小さないもむしが20匹以上もついていた。
アゲハが一匹成虫になるのに,一つの木を裸にするとの噂を聞いた。
それは誇張だとしても,これだけの量だ。
僕の小さな金柑ははげちょろけになるだろうことは容易に想像できる。
でも。
小さな小さないもむしをつまむのに忍びなくて,また,放っておいた。
その後,僕の状態がよくなかったり仕事や私生活が忙しかったりして,
ベランダ農園は放ったままになっていた。
今朝見たら。
金柑の葉はぼろぼろになり,半ば立ち枯れたような状態。
張りがなく垂れ下がった葉に,もっちりと太ったいもむしがたくさん。
たくさん,太って,でもまだ育ち途中なのだ。
でも。
この子たちが全部満足するくらいの葉は提供することができない。
心情的にも,物理的にも。
父が僕に,誕生日に,くれたのだ。
金柑はこれを乗り越えるかも,来年もまた生きるかもしれない。
でもこのいもむしたちは一年も生きず,このただいっときのいのち。
今さきにいくだろうものを,見守ってやるだけの犠牲を。
これを受け入れてもきっと,また,僕は生きていけるのだろう。
今になって排除するならいっそ,始めから寄せ付けなければよかったのだ。
何が偽善だ。
何の偽善だ。
でも。
僕は全部のいもむしをつまんで,ベランダから捨てた。
殺すこともできずに,投げて捨てた。
触れると,いきおいよく触角を突き出して,ささやかに抵抗するいもむし。
全部,全部,指でつまんで捨てた。
つまんだ感じを覚えておこうと思った。
引くと,葉からはがれるときにべりべりと音をたてる。
夜の間に落ちないように,葉に糸を出してしがみついていたのだこの子らは。
上から見下ろすと,一番大きく緑になったのだけ,小さくころがって見えた。
僕が殺さなくても,この木から離れたら,あの子たちは間違いなく死ぬ。
鳥や虫に食われてか,干からびてか,ともかく。
あれだけ傷がついて,金柑は生きてくれるだろうか。
あのまま枯れるのだろうか。
でも。
僕は室内に入り,除菌のできる石鹸で手を洗った。
何度も,洗った。
それから仕事に行った。

今日もよく晴れたから。
少しだけ,祈った。




今日もよく働きましたよ。
このところ研究の話し合いやら資料作成が大変での。
家に帰っての宿題も含めると結構な時間働いているような気がする。
はやく給料日にならないかなあ。
ちゃんと見返りのある仕事なのだと思えて,ほっとするじゃないか。

・担当の子が欠席。
・かいものごっこ三回目。それぞれの子の発展が見られて楽しい。
・遠足先の下見に行く。いつのまにやら遠足チーフ。
・あとは延々と話し合いと資料作成。
・帰宅して,日記とメールを書いた。続けるつもり。
・晩御飯はまたコンビニ食しくしく。
・家を片付けたい。修羅場のときはいつも片づけをしたくてたまらない。

いろいろなことが滞っています。
仕事以外の,交友関係はとても滞っている。
きっともうすぐ楽になるのだろうと思う。
だから頑張れる。
きっともうすぐ,楽になるのだろうと思う。
なのでいろいろもうしばらくお待ちくださいませね。


 <なんだっけ?  まとめて  そんでどう?>


縞田みやぎ [ジコショウカイ] [ジコショウカイその2] [ひとこと] [メェル]

My追加