 |
 |
■■■
■■
■ 今は昔の物語 第三話
「これで納得いったか?」
そのツネヤスの問いに答えるならば「NO」だろう。 だって納得がいくはずない。 いきなり自分には兄がいて、空色の瞳の所為で森に捨てられたなんて話し、納得いくほうがおかしい。
別に、兄と言う男が森に捨てられたことではなく、"何故それを自分に黙っていたのか"である。 自分には全く関係の無い話では無い筈だ。 むしろ、知っておかなければいけないとさえ思う。 なのに何故皆話さなかったのだろう。
そんな思いが姫の頭の中を渦巻いていた。
そして、今日も姫は森を見つめていた。
"セン"と言うなの兄。 今何をしているのだろう? 1人で住んでいるのだろうか? 寂しくはないのだろうか? そもそも1人でどうやって生活をしているの?
そこまで考えて姫はハッとした。 そうだ。捨てられたのはまだ小さい頃。 だったら1人の筈が無い。 誰かが何らかの形で関わって、少なくとも食事の世話ぐらいはしている筈だ。 だったら・・・。
もしかしたら森に行けるかもしれない。 そんな思いが姫の頭を過った。
***
そして、姫のその予感は見事の的中した。 ある晩のこと。 もう皆が寝静まった頃、森に向かう馬車を見かけた。
あの馬車に何とか潜り込めれば・・・。
そんなことを考えた姫だったが、その考えは不必要になった。 急に王が言い出したこと。 それは・・・。
「ヨルを森に連れて行け」
そんな言葉だった。 姫は我が耳を疑った。 まさか、王自身がその様なことを言うなんて予想もしていなかったから。 でも、その申し出は姫にはとても嬉しいものだった。 だから素直に喜んだ。
が、王はある条件を出した。 その条件とは、
「ヨルが1人でセンに会うこと」 「センには自分が"姫"であることを言わない」
と言うことだった。
何故そんなことを言うのか訝しく思いながらも、ヨルはその条件を飲んだ。
***
そして、その申し出から3日後。 姫は真夜中、従者達と共に森へと向かった。
従者達は森の入り口まで付いて来ると城へと引き帰した。 そして、 森に入って暫く進んで奥まった場所に1人の男がいた。 そして、その姿を見て姫は目を見開いた。
亜麻色の髪は月の光を受けて金色に輝いて見える。 色白の肌は、夜の闇に浮きだって見える。 とても幻想的なそんな男。 そして、此方を見はその瞳は本当に澄み切った空のようだった。 そう、雲一つ無い、真っ青な空の色。
姫はその姿に思わず見蕩れてしまった。 そして、声も出せずにただただ佇んでいた。
========================
あとがき
ハイ、第3話です♪ 今回ちょっと短めカナ? まぁ、その辺は気にしないで下さい(爆)
そして、今回やっと鮮君登場!! かなり、無理な設定ですが・・・(汗)
因みにココで一つ断わっておきます。 4話では、"姫"じゃなくて"ヨル"になります。 姫としての行動じゃないですから。 鮮君との対面の時は全て"ヨル"です。 ややこしくて申し訳御座いません。
2002.4.1管理人拝
2002年03月19日(火)
|
|
 |