READING THINKING WAITING
DiaryINDEX|past|will
2002年11月28日(木) |
ピアニストによるマスタークラスを見る… |
ピアノの先生の中で、プロのピアニストによるマスタークラスの聴講をされたことのある方も、少なくないと思います。 もしかしたら、レッスンを受けたことがある…という方もおいでかも知れません。 プロのマスタークラス…と言ってもいろいろあって、音楽の本質的な部分にまで言及されない場合もあるようですが、音楽に真剣に向かっていらっしゃる演奏家でしたら、大抵の場合は、熱のこもったレッスンが繰り広げられている…と思います。
取り上げられる曲が高度な場合、ついつい“街のピアノの先生”としては、自分たちの仕事とは関係ない…と思いがちですが、実は、そうではない…という確信が私にはあります。 技術的なことや、曲の解釈について、それだけを抜き出した講座を勉強するのでは、それらの技術や解釈が演奏としてどう結実するか…までは、なかなか見る事ができません。 コンサートに行って素晴らしい演奏を聴いても、そういう時に、音楽そのものを聴かずに、演奏技術や解釈についてばかり注目して聴いているのでは、何のために音楽をやっているのかわかりません。 その両者を埋めるのがマスタークラスに他ならない…という気がしています。
そして、マスタークラスでは、演奏家が曲に対してどれほど綿密にアプローチしているか…、タッチに対して、どれほどのこだわりがあるか…というのが、如実にわかります。 レッスンを受ける生徒さんの程度にもよりますが、ホンの1フレーズ弾いただけでも、プロが音楽に引き込む凄さを目の当たりにできるかも知れません。 素晴らしい演奏と、それに至るための基礎が、密接に結びついていることも、マスタークラスを聴講すれば知ることができるでしょう。 このことは自分自身が長く勉強を続けていく上でも、指導をしていく上でも、間違いなく有用です。
|