「人間」菅井優児
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原付の免許を取得し無事ビデオの会員証を作ったものの、権利を得ると施行したくなるのが人間の当然の心理。
原付が欲しくなった。
かといって、ミッションのバイクは既に1台破壊済み(友人の)だし、 スクーターもヤンキーが乗っているイメージが強かったのでこれといって欲しいものが無かった。
ある日、バイト先の友人がモンキーを勧めてきた。 少し古いタイプで、セミオートマという特殊なものらしい。(原理はよー分からん) これなら俺でも乗れると聞いたので、その当時使っていたフェンダーのムスタングと交換した。 (今考えるともの凄い勿体無い・・・)
そして自転車に代わる移動手段として原付を手に入れた俺は、バイトに行く時もコンビニ行く時もモンキーに乗った。 似合わないヘルメットを被り、少々照れ臭い気持ち80%で初めての車道デビューだった。
そうした時も長くは続かなかった。
バイトに向かう途中、大きな交差点で右折をしようとした時に突然モンキーがエンストし、動かなくなった。 その途端、俺は重い鉄屑を抱えた一歩行者に成り果て点滅する横断歩道を早足で渡り、歩道に向かった。
その後も40キロ以上のスピードで車体が思い切りぶれる、 マフラーに穴が開いていてエンジンを掛ける時に近所迷惑になるので家より50メートル離れてから掛ける等、 様々な問題が生じ始めた。
なによりも自転車よりも時間がかかる事が一番のネックだった。
3ヶ月もするとモンキーにはすっかり乗らなくなり、俺の移動手段は再び自転車になった。 埃を被った鉄の猿はどこかさみしそうだった。
その後、猿は友達に引き取られていった。
最近になって、モンキーが恋しくなる事がままある。 またいつか「モトラ」なんぞを買って、ノーヘルで近所を乗り回してみたい。
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