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夢か現か |
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「お前は誰だ!」
相沢遙は言った。
「俺の真似をして、しかも度々俺の前に現れやがって!何が目的だ!!」
偽・相沢遙はこちらをじっと見ている。 しかし、何も言わない。
イラついた遙は言った。
「っ、何とか言えっ!!!」 「じゃあ言わせてもらうよ。」
『遙』が答えた。そして一言。
「それはこっちのセリフなんだけど?」
言葉を失う。 「……は…?お前、何言って…」 「だーかーらー。相沢遙はお前じゃない。
僕だよ。」
足場が崩れ、暗転。
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピピ………
ピッ。
「……なんて図々しい夢。どうしてあそこまで、自分の存在に疑問を感じないでいられるんだろう。」
『遙』はぼーっとした頭で呟いて、ベッドから身を起こす。 今日はテストだっけ、なんて言いながら。
どっちが本当かなんて、どっちも考えたことがないこの怖さ。
夜が来るのは「遙」の合図。
ただ、それだけのことだけれど。 |
2003年12月12日(金) |
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