静かなる零への回帰録...翔人

 

 

例え話 - 2003年10月10日(金)

例えば、こんな話。


幼馴染にライブ会場で偶然出会った。
そこからまた親交が深まった。
彼女は私を愛していた。
私も彼女を好きだった。


でも。


彼女を独占したい自分がいた。
独占できない自分がいた。
そこに苛立つ自分がいた。
彼女から直ぐにメールの返信がないと嫌だった。
独占欲を満たす為と、彼女の気を引くために着信拒否にしたのは私。


半年か、一年が過ぎた。


やっぱり好きな自分がいた。
気持ちを託した手紙を書いた。
彼女も好きでいてくれた。
嬉しかった。
互いに強い独占欲を持ち合っていた。


でも。


突然捨てられた自分がいた。
「大嫌い」
意味が分からない。
移り気で、それしか見えなくなってしまう彼女。
「大嫌い」
傷ついて、手首を切った自分。
立ち直れなかった。
存在の、全否定からは。


だけど。


二度と交わらない道があるということ。
それが彼女との道であったということ。
私は私のようにしか生きられないこと。
自分に全く非はなかったこと。


そう、これは一つの茶番劇のような例え話。
一つの恋愛の形と終わり方を示すもの。
最高で最悪な彼女が教えてくれた、一つの例え話。



実話だけど。


-




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home