ばとる!! |
数日前の話なのですけど。 私のとある受け持ち患者様。 御年92歳。 もとは誤嚥性肺炎で入院したんだけど 療養中にもともと数度繰り返していた胆のう炎再燃。 それでうちの病棟にきたんですが。 今は発熱もなく本人も元気です。 もともと寝たきりなんですけど。 今の表面的な状態としては小康状態。 なのですけれど、主治医が・・・。 検査データを非常に重視する方でして。 CRP(炎症反応)がなかなか下がらないといって、 抗生剤の点滴を乱用し続けております。 それでもCRPには波があって。 だいたい4〜6のあたりさまよってるのかな。 (標準は0.3以下)
私は医者じゃないから こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが はっきり言って抗生剤意味がないと思う。 むしろ耐性菌の温床になりそうな。
それはともかく。
その方の主介護者(うちらはキーパーソンと呼んでる)は娘。 もちろん本人の年齢から行くとそれ相応なお年。 その娘さんと久しぶりにお話をしたのです。 そしたらね。 前と変わらず、 「落ち着いているなら少しでもつれて帰ってあげたいんです」 って即座に言ってくれるの。
今のご時勢、「家じゃ看れません」って人が圧倒的多数なのに。
本人に「帰りたい?」ってきくと笑顔でうなづいてくれます。
私の見解。 今の状況だと病院で治療している意味があるのか? (最も今やってるのは抗生剤投与とIVH管理、BS管理だけ) IVHは在宅用だってあるわけだし。 BSだってきっと何とかなる。
おうちに帰してあげたい・・・
そんな思いで主治医直撃。 しかし。 「無理だよ。どうせすぐ戻ってくるだけだよ。」 一蹴されてしまいました;; あまりにもさくっと言われたのであっけにとられ 何も言葉が出なかった自分が情けなくて力がなさ過ぎて とてもとても悲しかった。 そして悔しいって思った。 その悔しさを一人じゃどうしようもできず、 先輩後輩かまわず意見を求めて回りました。 最後には看護長にも。 みんな私の言い分しっかり聞いてくれました。
そして、「ナースカンファして それを金曜日合同カンファにかけよう」ってことになり。 周りの看護師さんがみんな今協力してくれています。
少しでもいい方向を見つけられるといいなと思う限りです。
私一人ではまだまだ看護師として未熟だし 医者とも対等な関係になれるほどではないのですけど これでも4年目になって いろいろな患者様と接して いろいろな思いをもって日々悩みながらがんばっています。 ナース1年目の時には感じなかったいろいろなことを 日々肌で感じ、日々成長しているように思います。 大変ではあるけれど、また最近楽しくなってきました。
ここまでだめだめな私を伸ばしてくれた先輩たち 数え切れないほどの患者様 愚痴を黙って聞いててくれた知人や相方 本当にありがとうございます。 これからもたぶんいっぱい迷惑ばかりかけるけど それらの経験を踏まえ さらにナースとして成長したいと思うのです。
まずは。 目の前にいる大好きな92歳のおじいちゃん 退院を前提とした慣らし外泊にいけるよう がんばって調整するぞ^^
退院して数日でもいい 入院じゃない生活をすごさせてあげたい。 それで本当に数日で帰ってきたとしても またその生命力と 娘さんの優しさと気力が尽きるまでは なるべく家で過ごさせてあげたいな。
ね、先生。 身動きしないで同じことの繰り返しより ちょっと背伸びしてみませんか?
<注釈> IVH・・・高カロリー輸液のこと。普通よりも太目の血管に管を入れてそこから高い栄養の点滴を入れる。在宅では簡単にスピード管理できるポンプもあり最近はたぶん普及してると思われ。
BS管理・・・血糖値のコントロールのこと。要は糖尿病患者さんの血糖値をいい感じに保つように薬物(主にインスリンの注射)を使ってコントロールすること。
カンファ・・・カンファレンスの略で 要は患者さんのことに関するミーティング。今後の看護や治療の方向性をみんなで確認する場。ナースカンファだと看護師のみで合同って言うのがうちの病棟の場合は医師、看護師、栄養士、薬剤師、栄養士、リハビリ(PT、OT)がみんなそろってミーティング。
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2006年05月21日(日)
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