森岡万貴 徒然記 (黒いブログ)
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2002年05月08日(水) 壁画を越えた2人

凄いものを見た。凄い所に行った、と言うべきか?

東京藝術大学大学美術館に油絵を見に行った後、フラッと立ち寄った陳列館。
油画壁画専攻の山藤仁さんのアート。

扉の向こうに砂漠が広がっているのを見たとき、「な、なんじゃこりゃぁ!」と、松田優作になってしまった。
へ、、部屋の中なのに。。。凄い。

中に入ると、一面砂漠。階段を登って2階も砂漠。
もう一階登ると、大きなガラス球体がいくつも床に転がっていて、その中には砂、岩、苔、そして水。
その部屋も通過してまた扉を開けると、真っ暗な洞窟にオレンジ色の無数の手の写真が浮かび上がっている。

ガラス球体の階から下階を見下ろすと、やっぱり砂漠しかないんですが、老紳士がゆっくりゆっくり歩いておられて、それを見ていると、、、何とも表現できない気分になりました。

山藤さんと少しお話が出来ました。
発想が柔軟で、意味があって、それを行動に移すパワー。
自分でガラスを吹いたり、真っ暗な夜の森を彷徨って「手」の写真を撮ったり、もう壁画の域を超えまくってます。
アーティストって、凄い。

是非、ライブアートで共演してください!!と、口説いてしまいました。
しかし、ライブハウスで砂漠を創ったら、怒られるだろうなぁ。

もう一人のアーティスト、高橋治希さんの作品も、凄かった。
東京から大阪までをホップステップジャンプで行く、という企画。
ぶっ飛んでいるけど、この方も壁画専攻。

まず、山に登る。頂上でカメラをまわし、そこから見える一番高い山に狙いを定める。次はその山に登って、また頂上でカメラをまわし、、という具合に、「日本の屋根」をぽーんぽーんぽーんと越えて、大阪に着いちゃうまでの写真群。

昔、日本には、そうした霊力の備わった人々が存在して、山の頂づたいに密書を運んだり、、、という伝説があるらしい。知らなかった。

で、富士山に登り、日本アルプスに登って、、、って、それを現実にやってしまおう、という発想と行動力!す、、凄い。
彼は日本だけに飽きたらず、中国、ヨーロッパバージョンもやってしまった。なんて人だ。。。

思わず「や、、山登りが好きなんですか?」と聞くと、「ええ、登山部です。」

、、、やっぱり。

凄い2人でした。とても得した気分で帰りました。
12日までですので、時間のある方はぜひ、上野の東京芸大美術学部の陳列館に行ってみてください。(無料)めちゃくちゃカッコイイですよ。


maki morioka |HomePage

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