酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年03月18日(土) 『時は静かに戦慄く』 木宮条太郎

 京都下鴨神社に由紀は合格祈願に来た。従兄で秘密の恋人の健一と一緒に。由紀は父の児童相談所で働きたいと言う夢があり、夢実現のために浪人して同志社大学を受験するのだ。その帰り道、由紀は同級生の明子をが健一の父(警察官)に逮捕される同級生を目撃する。彼女はコインロッカーに産んだ赤ちゃんを捨てていたのだ。そして由紀は木乃伊化して笑っている赤ちゃんを見てしまい・・・

 いやぁ、すごかったです。さすがに第六回ホラーサスペンス大賞特別賞だけのことはありました。今回の大賞作品の『キタイ』もかなり面白かったですし、ホラーサスペンス大賞関連作品は本当に侮れない。なのにどうしてこの大賞が今回で終了しちゃったんだろう。ぶんぶくぶーん(不満)。
 この物語はどうしようもなくホラー。なにがホラーかと言うと幼児虐待の多発性→子殺し頻発という世紀末的なところが何とも凄まじかった・・・。ぐいぐいと読まされましたもの。ただ個人的な好みを言えば「どうして?」が全く解明されていなくって消化不良な部分は残りました。勿論きっとそれが持ち味であり、そういう意図的な流れだったのでしょうケレドモ、いったいどうしてそうなっちゃったの?と言う心に湧いた謎がそのまま残ってしまうと言う久々の放置プレイっぷり。参っちゃったなぁ。これはたぶん映像化してもかなり面白いと思うので大いに期待して待ちたいと思います。お後がよろしいようで・・・。

『時は静かに戦慄(わなな)く』 2006.1.30. 木宮条太郎 新潮社



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