酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
DiaryINDEXpastwill


2006年05月27日(土) 『東京バンドワゴン』 小路幸也

 東京の下町の一角に築七十年になる今にも崩れ落ちそうな日本家屋古本屋<東京バンドワゴン>がある。玄関を真ん中に左側が古本屋、右側がカフェ。店主は三代目の堀田勘一。勘一の息子・我南人(がなと)60歳は「伝説のロッカー」と呼ばれる金髪で粋なオトコ。その息子がフリーターの紺。娘でシングルマザーの藍子。紺と藍子の異母兄弟の青。紺の妻の元スッチーの亜美。藍子の娘の花陽と紺の息子の研人。そして彼らを見守る幽霊の堀田サチは勘一の妻。そんな大家族の周りで起こる様々な事件と事件の背後に見え隠れしてくる人間模様とは・・・

 アハハ。笑っちゃう。登場人物を書き出すだけで大変なのですもの。大好きな小路幸也さんが古本屋さんを舞台に心温まるお話をプレゼントしてくださいました。小路幸也さんの物語はどうしてこんなにも心に温かくフィットするのかしら。やはりお人柄が投影されているのでしょう。絶対的に心に優しい温かい物語りというのは本当に魅力的です。これだけ登場人物が多いと贔屓のキャラも出来ちゃうと思うのですケレドモ、私のお気に入りは「伝説のロッカー」我南人さんv こんな人がいたらファンになっちゃう。いいなぁ。傍迷惑に自然体で(笑)おおらかで優しくて。こういう生き方ができたら最高なんだけど・・・。

 憎んでいたって何も始まらないんだよね。憎しみからは何も生まれないのさぁ。ただただその感情が続いていくだけ。暗いねぇ。暗いよ。未来は明るい方がいいよ。うん、明るい方がいい。楽しくなることを考えていく方がずっといいんだよねぇ。過去に何があってもさ。そう思わない?

『東京バンドワゴン』 2006.4.30. 小路幸也 集英社



酔子へろり |酔陽亭酔客BAR
enpitu