酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年06月18日(日) |
『モドキ』 ほしおさなえ |
自分のことを愛して欲しい、わかって欲しい・・・そう渇望する主婦がAIWというサイトに辿り着く。そのサイトには小さい女が色んな目に遭っていた。そしてその女は子役時代の自分の顔に瓜二つだった・・・!? サイトにはまり、写真にあわせて物語を創作し、サイトオーナーに送信。夢中になれるものがやっとやっと見つかった。このサイトオーナーなら私のことをわかってくれる。きっときっとわかってくれるはず・・・
いやぁ、ものすごい展開に驚きました。これってSFホラーになるのかしら。なにが怖いって小さな女にぺろりと舐められた女から小さな人間もどきが次々と生まれるところ。生理的に合う人合わない人っているだろうケレドモ、私的には大ビンゴでありました。なんと言うか・・・軋むような寂しさに足掻く人間の心の叫びが聞こえてくる感じでした。ものすごく恐ろしい物語なのでありました。ぞくぞく。
それは結局、自分にも物語があるって思い込むための道具なのかもしれない。ここにいるのは、ほかのだれでもない自分だ。そんなバカみたいに小さいことを確認するための。 数え切れないほどいる人間のなかで自分だけが特別なものになるためには、特別な欲望を持つしかない。それがどんなにくだらなかったとしても、それを持ち続けないかぎり、世界が自分が消えてしまう。
『モドキ』 2006.4.30. ほしおさなえ 角川書店
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