酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年06月21日(水) 『さくら草』 永井するみ

 ローティーンの女の子をターゲットにしたジュニアブランドのプリムローズ。従来の安価さより素材&デザイン重視の高級感を徹底し、少女達に受け入れられ急成長を遂げている。ジェネラルマネージャーの日比野晶子はプリムローズのブランドイメージUP確立に必死になって奔走する毎日。社長兼デザイナーの桜子はフワフワした夢見る少女のままなので晶子の負担は増すばかり。ある日、プリムローズのお洋服を着た少女の死体がラブホテルの駐車場に遺棄されていた。過熱するプリムローズブームゆえプリロリと呼ばれるプリムローズ・ロリータの犯行か!? 少年課の刑事・白石理恵は女性ならではのファッション感性を武器に事件に立ち向かうのだが・・・。

 女の子はいつだって御洒落して自分を可愛く見せたい。その深層心理に目を向けた高級志向のジュニア・ブランド。高価で素材&デザイン重視のブランドに熱中し、翻弄される少女と母親達。なんだか現代世相の一部をうまーく切り取っている物語でした。いいものを欲しい、身につけたいという思いを商売にするアパレル業界。踊る阿呆は自分の阿呆さ加減すら見失ってしまう。過熱する先に起こる事件の真相もまた人間の心の闇を映し出し・・・うーん、なかなか面白かったですねぇ。ただ残念に思ったのは刑事の白石理恵が中途半端だったこと。彼女の心の傷もチラリと描かれますケレドモ、もう少し踏み込んで欲しかったです。晶子に負けないくらいに描いてもらえてたら言うことなかったんだけどー。

「服の趣味は、如実に人間の内面を映し出すものだと思います」

『さくら草』 2006.5.30. 永井するみ 東京創元社



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