酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年06月22日(木) 『踊る天使』 永瀬隼介

 鹿島英次は歌舞伎町のぼったくりバーの雇われ店長。ある夜、英次の夢のために風俗で必死に働く恋人からメールが入る。《さよなら がんばて》・・・それは火事に遭遇した恋人が煙にまかれながら最期の力を振り絞って寄越したメールだった。その火災は放火だと知り、英次は復讐に立ち上がる。そして連続する放火殺人の背後にバブル時代の闇経済の真実が浮かび上がり・・・!?

 放火によりエクスタシーを感じる、そんな性癖を持ってしまったら、この世は地獄ですね。全てを焼き尽くす火の猛威に立ち向かう消防士、まさに命がけでしょう。火によって人類は進化したんだなぁと思いますケレドモ、火に魔力があるのも真実なのでしょう。浄化する=火で焼き尽くすという構図もよく目にします。この物語では悲惨な生い立ちの中で火に魅入られてしまったふたりの男の壮絶な人生が語られていて、狂乱のバブル時代の経済についても語られています。バブルの時代ってこんなだったのか、と背筋がうすら寒い思いをしつつ読みました。踊る人、踊らされる人・・・踊りを冷静に眺める人。どれになるかで人生は決まってしまうのかもしれません。冷静な目線が必要なんだろうなぁ。むずかしいことだなぁ。

『踊る天使』 2006.5.25. 永瀬隼介 中央公論社



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