酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年07月19日(水) 『時の“風”に吹かれて』 梶尾真治

 梶尾真治さんの短篇集。SFだったり、ホラーだったり、不思議だったり、と幾つかはまた舞台化されるのではないかと言うくらい良い粒揃いでありました。この中で私が気に入ったものは『時の“風”に吹かれて』と『ミカ』でした。『時の“風”に吹かれて』はタイムマシンで過去や未来に飛んで時の風に追いつかれる前にやりたいことをやろうとするもの。私も過去に飛びたいケレドモ、たぶん時の風に追いつかれて消滅しちゃうんだろうなぁ。『ミカ』は化け猫もの。犬だとほのぼのものが多いと言うのに猫だと妖しい物語になってしまう。猫ウォッチングしていると猫の神秘に魅入られてしまうから、猫って絶対に妖しい! だからこそ魅力。

「どこへ消えたんだ」
「わからない。だが、過去へ飛んだ存在を時は追ってくる。それが時の“風”だ。因果を修正するために。時の“風”にとらえられると、そのときその時点であるべき姿に変えられる。たとえば四十年後に飛んで、時の“風”に追いつかれたら、よぼよぼの爺さんの姿になってしまうだろうな。その間の生活記憶は存在しないから、若い頃の記憶しかない老人というわけだ」

『時の“風”に吹かれて』 2006.6.25. 梶尾真治 光文社



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