酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年08月14日(月) |
『タトゥーあり』 栗本薫 |
エリートまっしぐらなT大教授・島優一郎には秘密があった。我慢できなくなると変装して新宿2丁目に行き、出会った男と仮初の愛を交わすのだ。そんな優一郎の姿を目撃したヤクザ・志賀丈二は、自分にはない貴族的な品位を持つ優一郎に近寄り、犯し、付き纏う。軽い男との情事にドキドキしていた優一郎は、ハードな志賀の本物の男同士の愛の結合に心もカラダも破壊されて行く・・・!
うひゃひゃひゃひゃ。やっちまいましたねー、栗本の親分サン! もう栗本薫らしいエロゲイまっしぐらで卑猥でポルノでおおいに笑ってしまいました(読み方が違う?)。あとがきでボーイズラブなどという路線は断固許せず、ヤオイを書くのだ、栗本薫変態ワールドだと自分で熱く書かれていて、またそれが可笑しくて可笑しくて。栗本の親分サンはいくつになられても暑苦しいなぁ(苦笑)。また突っ込みどころワザと満載なあとがきで一部の人を煽ってるなぁと言う感じです。悪趣味なところも栗本薫健在って感じですね。ふふふ。 さてさて、この物語は栗本の親分サンの好むところの男と男のハードな愛の物語。必ずサドマゾっぽいのは親分サンの性的嗜好を反映させているのでしょうか、などと下世話な想像をしてしまう。ヤクザな志賀くんは単純でわかりやすい男好きなサド助平。ヤクザでゲイって本当にハードそうだなぁ。ドキドキ(笑)。優一郎は、やわなエリート坊ちゃんなのだケレドモ、志賀との出会いで自分の中に巣食う鬱屈がファザーコンプレックスだった、と。へぇ、こうくるのかーとちょっと意外。しかも、その親父様のサイドストーリーがあってそれがまたかなり意外。血なのか? それって血のなせる技なのかっ!? まぁ、なんにしても想像するしかない男と男の愛の物語を垣間見て面白かったです。あんまりオススメはしないですケレドモ・・・。
『タトゥーあり』 2005.9.11. 栗本薫 クリスタル文庫
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