酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年09月21日(木) DVD『ブース』

 勝又真吾は深夜放送の人気パーソナリティ。局移転に伴い、ある深夜開局当時に使用していた地下にあるブースから放送することになり、ゴネる真吾。軽妙な語り口で人気の真吾だったが、実際は傲慢でいやな男だった。番組放送中にリスナーからの相談電話を受けるコーナーのテーマは【許せない一言】、最初にかかってきた電話は12歳の少女“ばけみ”ちゃん。彼女の悩みを聞いている時、キーキーという耳障りなノイズが入り、「ウソツキ・・・」という女の声が混じる。そこからどんどんと始まる奇妙な世界。真吾は自分の過去に自ら復讐されるかのようだった・・・!?

 主演の佐藤隆太くんは脇でいい味を出す若手俳優さんとして気に入っていました。この映画で今までの飄々とした温かいキャラではなく、傲慢でいい加減な男をそれはウマク演じてらっしゃいます。ホントやな奴なの、勝又真吾って。映画のプロローグは白黒の昔の映像。開局当時のブースでDJが電話相談の女性に意見をしていたら彼女は昔に自分が心中騒動を起こし彼女だけ死んだ・・・はずの女からで・・・と言うなかなか不気味に観客の心をぎゅうっと鷲づかみ。そんないわくありのブースで深夜放送をする羽目になった真吾は、捨てた女や言葉で苛めた同僚や過去の数々の所業から復讐される・・・それをリアル・タイムと真吾の回想と真吾の疑心暗鬼が絡み合って奇妙な世界を生み出しています。ほぼブースの中での一人芝居に近いもので佐藤隆太くん頑張ったなぁって感じでした。勝又真吾が放送中に何げなくもらした「いやぁ言葉って本当に怖い」という本当の意味を真吾は自分の身を持って知るのでありました。



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