酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2006年10月05日(木) |
『風の墓碑銘』 乃南アサ |
古い家屋の買いたい工事現場から白骨死体が3体見つかった。男と女、そして赤ん坊。その大家から事情聴取する音道貴子だったが、老人はまだらボケの症状があり、話が噛みあわない。そして老人が撲殺された! 久しぶりに滝沢とコンビを組む貴子は滝沢の微妙な変化にとまどう。男社会である警察で男どもの偏見やセクハラに耐えながら、同僚の女友だちに鬱憤を晴らしつつ、必死に事件を追うのだが・・・!?
女刑事は多々あれど音道貴子の気性の真っ直ぐさが格別お気に入りであります。なので色んな目に遭いながら健気に頑張っている姿を応援したり、あまりに肩肘張っているのをリラックスしろよーと気遣ったり。読んでいてずいぶんと力が入ってしまいます。今回は同性の同僚にことのほか不愉快な想いをさせられてしまい、本気で腹が立ちました。自分が悪かったり間違ったことを棚上げにして被害者ぶるって徹底的に嫌い。ふざけんなー! 自分の非を認められないタイプの人間の底の浅さにはうんざりしちゃう。潔さがなくって醜い。関わりあっただけ損をすることがありますよね。げんなり。そんな音道が天敵アザラシ(笑)に救われるのだから、人間関係とは不思議なものだわ。滝沢アザラシの優しさに今回は嬉しくなったのでありました。犯人の意外さよりも音道の女友だちとのいざこざや恋人との行き違いの方がトッテモ面白かったですv
『風の墓碑銘』 2006.8.30. 乃南アサ 新潮社
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