酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年10月12日(木) |
『シャドウ』 道尾秀介 |
我茂鳳介は母が亡くなり、父とささやかに暮らし始めた。そんな時、幼馴染の亜紀の母が飛び降り自殺をしてしまった。鳳介と亜紀は家族ぐるみで仲がよく、父親同士・母親同士・子供同士で親しくしていた。なにかがすこしずつ歪みだしたような毎日の中で今度は亜紀が事故に遭い、鳳介の父親までも・・・!?
人間は、死んだらどうなるの?・・・小学5年生の鳳介が漠然と抱える人の生への疑問と不思議。その疑問に母や周りの人間が死んだり、傷ついたりすることで何かを知ってしまう鳳介。こんな悲しいことを小さな少年が受けとめていくなんて読んでいてやりきれなかったです。人間の汚さや悪意になど触れずに生きていければいいのですケレドモね。ミステリ・フロンティアシリーズも27冊目。ほぼ好きな作品が多くて(ときどき合わないものも)トテモ楽しみなシリーズですv
果たしてあれは、誰にとって理想的だったのだろう。苦しまなかったことは、誰にとっての救いだったのだろう。
『シャドウ』 2006.9.29. 道尾秀介 東京創元社
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